壱話 ページ2
早朝、目が覚めると躰の節々が痛かった。
隣で眠っているフェーヂャの髪の毛に指を通す。
『……行かねぇと』
自分に云い聞かせるように呟き、
……飛行機は好きじゃないから、船にしようか。
服を着て、気持ち良さそうに寝ている彼の額に口付けをした。
『行って来ます、フェーヂャ』
彼にそう云ってから、俺は部屋を出た。
.
.
.
『_______1週間?』
船の運行係に云われた言葉を、繰り返す。
「どれだけ急いでも、1週間はかかるよ。富豪も乗せるから遅くても2週間だね」
『まぁ……半年かからねぇだけ優秀か』
持って来ていた林檎を齧り、海を眺める。
「んで?どうするんですか、お客さん。乗りますか?」
『あー……うん。勿論乗るよ』
船の運行係に金を渡すと、鍵を出された。
『………此れは?』
「客室の鍵ですよ。失くさないようにお願いしますね」
『失くさねぇよ』
鍵を一度だけ上に投げた後、船に乗り込む。
借りた鍵についた番号札を見ながら、船内を歩く。
『"悪魔"が船にいる、なんて知ったら客はどうするんだろうな』
林檎を齧っていると、番号札と同じ番号が書かれた扉を見つけた。
『此処か。相部屋じゃないよな…』
恐る恐る鍵を使って扉を開け、中を確認する。
部屋の中は白を貴重とした綺麗な内装をしていた。
『寝台は一つ。……じゃあ安心か』
食事は食堂で好きに取れるし、夜も結構色々やってるみたいだし。
『今日は殆ど徹夜だからなぁ…』
欠伸をしながら冷蔵庫に食べかけの林檎を入れ、外套を脱いで
そして寝台に飛び込むと、いい感じの反復がある。
『夜まで寝とくか…。夜行性だし』
毛布を頭まで被り、目を瞑った。
……あとで
んで、載ってたら命を貰いに行くか。
『…其の前に睡眠が大事』
体も疲れていた俺は、襲ってくる睡魔に身を任せた。
_______コンコン。
扉を叩敲される音で、夢から覚めた。
『んー…』
近くに投げてあった携帯を手に取り、時間を確認する。
『まだ午後9時じゃねぇか…』
大体俺は10時くらいまで寝る派なのに。
『ったく、誰だよ』
欠伸をしながら扉の所まで歩く。
扉を開けるが……誰もいない。
『……仕事しろって云われてんのかな』
少し乱れた髪を掻きながら、部屋の中に戻る。
長椅子に座って、資料を取り出した。
358人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時