家出少女は何故か文ストの世界にトリップしました!2

眠り姫 ページ44

Aサイド

砂色の布が少し前を進んでいく。
次の角を曲がればもう追いつくほどには距離が近づいていた。

『あと...少し...！」

そして角を曲がる

『捕まえた!!!』


私はしっかりとその布を掴んだ＿＿＿＿はずだったのに


私の手は空を掴んでいた。

『な...んで...？』
その代わりにと云わんばかりに私の視線の先には木で作られた如何にもという感じの
看板が立っていた。

［汝、扉の前より待つとき、あらゆる答えその心に刻まん。」

その看板の言うとおりに前を向くと扉があった。
その大きさも見たことが無いような繊細な彫刻もとても人間に造れるような代物ではなかった。

其れと...
『私の今思い出せないことが分かるってこと？』

本当かわからないけどもう戻る道はない、
其れに此処は行き止まりで進む道もない、

『寂しいけど待つしかないね。』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
太宰サイド

ふたを開けてしまって、
もしもこのまま消えてしまったらどうしようと心の中で不安が大きくなる。

大丈夫と自分に言い聞かせてふたを開け放つ。

Aちゃんの手をとって自分の気持ちが伝わるようにと願って云う。
太宰「Aちゃん...やっと...やっと君の事を見つけたよ。
どんな心配も安心に変えられるように君と一緒に考えるから目を開けてくれないかい？
私は君の帰る場所になるといっただろう？だから、どんな君でも帰ってきていいんだよ。

私は君が...好きなんだ。」

私がそう云い終わると辺りを静けさが包んだ。

彼女はどうしたら起きてくれるんだろう。
与謝野先生に一度見せた方が良いのではないか、という考えが浮かぶが
怪我ではないという事で却下される。

中也にも聞こうとしたときAちゃんの身体が光った。

中原「なッ！」

私は余りの眩しさに目を瞑ってしまった。

中原「おい、太宰!!」

そして私はその光に吸い込まれた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
続きを書いていたらきりが悪くなったのでここで切ります。
本当に遅くなって申し訳ありませんでした。

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