17.彼の時、何があったのか ページ18
―――私の家はごく普通で、アマチュアのサックスとクラリネット奏者だった両親は、時々酒場に行っていた。
彼の日、普通に学校から帰った私は、何時も通り両親の帰りを待っていたが何時に成っても帰って来ない儘、朝を迎えてしまう。
7時頃だっただろうか。
郵便受けに新聞を取りに行った私は、新聞の他に手紙を見付けた。
送り主の名は無し。変だと思いつつ封を切ると、便箋と両親の写真が入っていた。
『A、戻らなくてご免なさい。顔を見たいけど、もう遅い様です』
そんな文章から始まって、書いてあったのは、とあるマフィアに連行され、尋問を受けているということだった。
それから―――
『私達はマフィアの情報屋です。』
二人は演奏者として酒場に出入りし情報を仕入れて売っていたが、勿論私はそんな事知らなかった。
掛けられた情報漏洩の疑いは重く、逃げようにも長いマフィアの腕を振り払えるわけも無く、こうしてこっそり手紙を出したらしい。
『裏切り者には“制裁”が下る。でもあなたは関係無い。しっかり生きて、人生を楽しんでね。
PS.組織の人間が血眼に成ってAを探すと思うので、見付からない様役所にあなたの死亡届を出しました。
こんな風に別れる事、急に友達と会えなくなってしまう事、どうか許して下さい』
――後は、冒頭に戻る。
「そうか…」
…そして、私を撃った彼の男は、尋問する為に
「……A君」
「はい」
「……これからも、
彼の声は哀しそうだったが、
「……有り難う御座います」
例え、今この一瞬だけだとしても、悲しみから救ってくれた其の言葉は、素直に嬉しかった。
＊＊＊
書いてて思ったんですが、暗いし、歳の割に事情が深刻過ぎる!
Kotoha
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミリン - やばい！めっちゃ続き気になる〜 (2019年10月20日 19時) (
レス) id: 78bca44abf (このIDを非表示/違反報告)
kotoha - ミリンさん» 美味しいですよ〜 好みによりますが、最初はお砂糖と珈琲の量を1:1で入れて、バランスとってみて下さい！ (2019年10月1日 20時) (レス) id: bf2849b969 (このIDを非表示/違反報告)
ミリン - コーヒーの淹れ方参考にします！ (2019年10月1日 19時) (レス) id: 78bca44abf (このIDを非表示/違反報告)
ミリン - 続きが気になる〜!！ (2019年9月12日 6時) (レス) id: 78bca44abf (このIDを非表示/違反報告)
ミリン - 最新話も面白かったです！続き待ってます！ (2019年9月5日 22時) (レス) id: 78bca44abf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kotoha | 作成日時：2019年7月31日 10時
