自分で自分の〔tn〕 ページ36
『ほら、着いたで』
そう言うと「ふぁーい」なんて眠そうな返事。
案の定まぶたは閉じ掛かっていて、今にも夢の世界へと落ちていきそうである。
『ちょ、A。寝る前にせめて着替えん？』
「……あー、めいくおとさなきゃですね。」
なんて、ちょっと、と言うよりだいぶ噛み合っていない会話をすると上に羽織っていたカーディガンを脱ぎ始める。そのままその下の服にも手をかけようと……
『な、何しとるん!!』
慌ててその手を止めるが本人は
「きがえるんですよ、」
なんて呑気な返事。
『いやいやいや！着替えないやろ！！俺の貸すから待っとき！な？！』
そう言い俺は自分のクローゼットの中に入っているパーカーとスウェットを急いで取り出す。
自分が普段着ているものだが、ちゃんと洗濯はしているので許して欲しい。
決してわざと選んだ訳では無い(迫真)
時間がなかっただけや。
『ほら、これ着てええから風呂場で着替えて、な？』
「ありがとうございます『おん、』……お風呂、入りたいです。」
『はぁ？』
感謝されたのもつかの間。なんと突拍子もないのだろう。きっと、風呂場 という言葉に触発でもされたのだろうか。
危ないに決まっているので反対はしたものの、
「だって、シャワー浴びたいです。」
もう、ふらふらしないですよ？
なんて言われ強請られ続けたので、渋々シャワーなら、とOKした。
ルンルンと浴槽に消えていったAを見送った後、思考がギュンギュンと巡る。
何せこちらは童〇だ。万が一はないだろうが、女性に慣れていないというのは恐ろしい。
今この状態でも風呂に全意識が集中している。
所詮男の性というものだ。
てか、俺のパーカー渡したけど、余計に不味かったのでは？自分で自分の首絞めたのでは？
好きな女性から自分の匂いが……
そんなことをよっぽど張り詰めて考えていたのだろう。時は15分近く経過していて、
「シャワー、ありがとうございました、あと、ふくも。」
なんて言いながらAが出てくる。上からは水が滴っており、俺のパーカーとスウェットはダボダボでなんか…
……………………いやいやいや、ないわ、俺。
『大丈夫か？A、』
水飲むか？なんて言ってコップを渡せばゴクゴクと気持ちよく飲み切った。そしてそのままソファの端で寝そうになるので、慌てて
『髪乾かさんといかんやろ？！…俺が乾かそか？』
なんて勢いで言ってしまう。
ほらまた、自分で自分の首絞めた。
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文月(プロフ) - nanashiさん» こちらこそ、ありがとうございました！素敵と言ってくださって本当に嬉しい限りです。これからも精進して参ります！！ (2019年8月26日 20時) (
レス) id: c5e4d02de3 (このIDを非表示/違反報告)
nanashi - はあぁ神…ドキドキしながらも、とても楽しんで読めました！素敵な作品をありがとうございました！ (2019年8月26日 20時) (レス) id: 4b0cf5f6ca (このIDを非表示/違反報告)
文月(プロフ) - 珊瑚珠さん» キャー！珊瑚礁様だー！！もうこれから全面にファンということを押し出していくんで！はい！！見てくださってありがとうございました！！ (2019年8月26日 19時) (レス) id: c5e4d02de3 (このIDを非表示/違反報告)
文月(プロフ) - かなぐ＄anさん» 無理とは(哲学)w応援ありがとうございました！！ (2019年8月26日 19時) (レス) id: c5e4d02de3 (このIDを非表示/違反報告)
文月(プロフ) - みるくさん» ありがとうございます！！応援してくれるというお言葉、本当に励みになりました！！ (2019年8月26日 19時) (レス) id: c5e4d02de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月 | 作成日時：2019年1月22日 23時
