#88 ページ38
*
結局
翌朝召集がかかった。
総統室ではなく、会議室へ行くように指示されたため念の為昨日の手紙と先程新たに増えた手紙の2枚をポケットに突っ込んで自室をあとにした。
_
｢ふむ｣
2枚の手紙を見比べたグルッペンさんは｢この2つは全くの別人だな｣と言ってのけた。
困惑する私達を無視し、グルッペンさんは指を２本立てた。
｢1つ、片方は恐らく観光客
2つ、戦争がもうすぐ始まりそうだ｣
口の端をいやに吊り上げてそう言ったグルッペンさんに対し、トントンさんが悲鳴を上げた。
｢戦争やと？どことや｣
｢ソリティエ国、外交で行った時に確信した｣
｢片方はソリティエからの観光客って事か｣
ソリティエ国
もちろん私は護衛と戦争時くらいしか他国と関わることがない為直接見たことは無いが、噂ならいくつか知っている。
数年前に今の国王が就任したのだが、実力はあるものの統率力や理性がない。
国民や兵士達はみな国王が機嫌を損ねないように気を付けていると。
しかしそこの外交官や幹部たちは優秀で国民たちは国王が変わる事を望んでいると。
こう並べてみると酷い国ではあるが、軍としては強い国でもある。
そんな国と、戦争。
｢取り敢えずこの手紙に関しては何もしない｣
｢グルちゃん、それはAちゃんに危害が加えられても？｣
｢危害を加えてくるならそれは観光客の方だ、戦争をすればいい｣
｢Aは囮って事っすか｣
｢あぁ。いいか？A｣
正直グルッペンさんの作戦は観光客を炙り出すには最適で、最悪私が動けなくなっても最小の被害で済む。
断る理由もない。
『もちろん。返り討ちにしてやりましょう』
｢Aちゃんもグルッペンに染まってきたな｣
マンちゃんが少し心配そうに眉を下げながらもそう言って笑った。
｢ヒヒーン、ヒヒーン｣
｢お、ロボロに染まってきたな！｣
｢やかましいわ！！！！｣
｢お前じゃい！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜乃(プロフ) - しきさん» コメントありがとうございます。少し下にスクロールして頂ければ簡易的ではありますが説明させて頂きましたのでそちらを見て頂ければと思います。。暖かい言葉をありがとうございます…！ (2020年8月25日 7時) (
レス) id: a5b7bd47a4 (このIDを非表示/違反報告)
しき - コメ失礼します。大変恐縮ですが、『状況が状況』何があったんですか？他の作者様も鍵をかけてまして…。できる限り教えてください。この作品応援してます。 (2020年8月25日 4時) (レス) id: 1586e9f170 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃(プロフ) - 勉強さん» コメントありがとうございます…！大丈夫ですよ~！不慣れなので確認が遅いです、申し訳ないです。。。 (2020年8月24日 22時) (レス) id: a5b7bd47a4 (このIDを非表示/違反報告)
勉強(プロフ) - あの私も一緒で、Twitterやってないので、ボードのところでもう一度、パスワードを聞いてもよろしいでしょうか？ (2020年8月24日 21時) (レス) id: 192730a35f (このIDを非表示/違反報告)
菜乃(プロフ) - ゆーちゃさん» コメントありがとうございます…せっかく読んで頂いてるのにすみません、、、ボードという機能であればお伝え出来ると思います…！ (2020年8月24日 19時) (レス) id: a5b7bd47a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
