第36話 もう一度◆sha視点 ページ38
si「…うん。健康そのもの。何も問題あらへんわ」
念のため、ぺ神に身体の状態をチェックしてもらった。
特に何の異常もなく、俺とAちゃんは保健室を出ることにする。
si「あっ、シャオロン待ち」
sha「なんや？」
si「また今度、ロボロでも連れて遊びにおいで。ちょくちょく元気な顔見せてくれへんと、心配するやろ」
…そっか。
セイマの一件以降、全然来てなかったもんな。
多分、思い出したなくて、無意識に避けてたんかも。
sha「…ははっ、ロボロ目当てなのバレバレ」
si「お前も目当てやで」
sha「エッ」
si「Aちゃんもおいでや。ついでに治癒能力要員として協力してくれると…」
『いや、予めセーブしてないと無理なんで…全校生徒分もセーブできませんよ！？』
si「そうやったわ…ほな普通にソ○ジョイ食べに来なね」
『それはもう是非！』
si「それじゃ、またその時に」
笑顔で挨拶を交わし、今度こそ保健室を出る。
外はすっかり日が暮れていて、オレンジ色の光が俺達を照らしていた。
sha「…なぁ、セイマの異能力なんで知ってたん？」
『それは企業秘密だよ〜』
sha「えー…しっかり異能力までセーブしとったやんな」
『あぁ、あれはハッタリ』
sha「ハッタリ！？」
『異能力名言ったから、本当に使ったと思ったでしょ？実はアレ、使ってないよ』
じゃあ、俺の脳みそ溶かしたんは《目には目を》の効果じゃなかったってことか…
sha「え？そんなら、4つ目のセーブデータは？」
だって、4つの内3つは、Aちゃんの身体の状態と、俺の異能力と、俺の状態な訳で…
俺が聞くと、Aちゃんは答えずに懐からスマホを取り出した。
『…概ね予定通り、かな』
sha「予定通り…？」
『それでは、私の4つ目のセーブデータに登場していただきましょうか！』
Aちゃんが後ろを振り返って下がると、
「…久しぶり、シャオロン」
見慣れない制服姿に、あの頃と変わらないセイマの姿があった。
sha「せ…セイマ…！？」
『…それじゃあ、私はこれで』
「うん。ありがとう、Aさん」
sha「あっ、ちょっと…！」
俺の声に気を留める様子もなく、Aちゃんは廊下の奥へと立ち去っていった。
sha「…えっと…」
「…シャオロン、元気だった？」
sha「ま、まぁ…お前は？」
「俺も。元気にやってるよ」
あかん。気まず過ぎる。
なんでこんなことに…
Aちゃんの瞬間移動、こんな風にも使えるんか…
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作者名：蜜川 | 作成日時：2022年11月12日 20時
