【d!】転校したら最強の生徒会を倒さなきゃいけなくなった件 (ページ32)

今日:26 hit、昨日:39 hit、合計:277,390 hit

第30話　狂人らしくあれ◆sha視点ページ32

『っは…はぁっ…』

だいぶ肩で息をし始めたAちゃん。
このままいけば、ワンチャン疲労でセーブするまでの時間が空いて、攻撃出来るかもしれない。
俺は右腕がない中でも何とか攻撃避けて仕掛けられてるし、まだ体力にゆとりはある。身体能力だってこっちの方が上。
耐久力が勝敗を分けるなら、間違いなく俺の勝ち。
例えどれだけ泥試合になっても、絶対俺が勝つ。
それこそが、俺(狂人)の矜持。

『貰ったッ！！』
sha「っ！？」

気づくと、俺の左手の平がAちゃんに強く握られていた。
原型を崩され、地面に落ちる肌色の液体。

sha「…マジ？」

あれ…てっきり相手の異能力をロードする時は、異能名を言わなあかんのかと思ってたんやけど。
でも言ってないってことは、発動条件ではない…

…Aちゃんが、異能力に慣れてきたんや。
異能名を言わなくても、意図的に発動できるようになってもうたんや。

その後も、靴や右頬を溶かされ、ついには四肢を溶かそうと狙ってくるAちゃん。
俺はこの状況に、確実に焦りを覚えていた。
四肢なんて溶かされてもうたら、いよいよ倒すことはできへん。
俺だって体力減ってない訳やないし、このままだと先に倒れるのは、もしかして俺…？
かといって、依存部位を潰そうにも、考えられるところは全部溶かし切った。身体という身体は全て溶かしたつもりや。
もう、耐える以外に出来ることなんて…

gr「シャオロン！」

その時、観客席からグルッペンの低い声が聞こえた。
突然の事に、俺だけでなくAちゃんも動きを止める。

gr「狂人らしく居ろ」

それだけ言うと、グルッペンはまた席に腰を下ろした。

『えっ…何それ激励！？応援！？ズルい私も誰かに応援されたい！！』
ut「Aちゅわ～ん！頑張って～ん！」
『鬱先生黙って！！』
ut「ヒドイ応援したのに！！」

…グルッペン…
もっとわかりやすく教えてや！！
アイツのことやから何かヒントをくれたんやろうけど、狂人らしく居ろって何？マイクラのこと言うてんの？
そらまぁ、俺はついつい我慢出来なくて味方殺してみたり、初手で人狼COしたり、黒確でも永遠に白アピールしたり、自分でもイカれたことしてると思てるけど…
え、なに。イカれたことしろって？イカれたことってなんや？

sha「…イカれたことか…」

イカれてるっていうのは、まぁ、“常識外れなことしてる”ってことやと思うんやけど…

…え、もしかしてそれ？
前言撤回。めっちゃわかりやすいわ。