【d!】転校したら最強の生徒会を倒さなきゃいけなくなった件 (ページ31)

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第29話　You gotta ◆sha視点ページ31

今はもう身体の状態をセーブしてるはず。
次に仕掛けて、ロードしてから新しくセーブされる間に溶かせば、依存部位はわからなくともとりあえず手負いには持ち込める。
これで、俺と条件が対等になる…！

sha「…それじゃ、セーブ出来るようにしたるわ」

俺は助走をつけると、Aちゃんに向かって足を投げ出し、跳んだ。所謂飛び蹴り。
Aちゃんが腕をクロスして身体を庇う瞬間、異能力を発動して腕を溶かす。
案の定、同じ座標で復活した後、俺はすぐに右手を伸ばした。

『ッ！』

目を大きく見開くAちゃん。

これは貰った…！

そう思った時だった。

sha「っは！？」

俺の伸ばした右の腕を、Aちゃんが掴んでいた。

『《狂人の矜持》』

次の瞬間、俺の右腕が大きな水音を立てて地面に落ちていく。
残された右手だけが、壊された玩具のように転がった。

『よっし！！やっっとコツ掴んだ！！』

…これはまずいな…
ついに、俺の方が手負いになってもうた。利き手が潰されたのはデカい。

今のでわかったけど、どうもAちゃんの異能力は、自分の状態をセーブする用と、俺の異能をセーブする用の2つのセーブスロットがあるらしい。だから同時に出来たんやろな。
しかも、俺の異能の扱いのコツを掴んでしまったAちゃんは、自分の状態をセーブするまでに俺の異能で時間稼ぎが出来るようになってしまった。
そうなると、もう戦法が限られてくる。

能力限界まで、持ち込むしかない。

能力限界は、依存部位が異能の酷使で過労状態になって、異能力が発動できなくなること。つまり、消耗戦にもっていく。
Aちゃんは既に息切らしてるし、あんま体力はなさそう。これ以上溶かされないようにしつつ今までの流れを繰り返せば、いつかは能力限界が来るはず。
幸い試練には時間制限無いし、日が暮れて夜になってでも、俺はこのフィールドに立ち続ければいい。

sha「…念のため確認したいんだけど、依存部位が股間ってことはない？」
『無いに決まってるでしょ！？！？』
sha「ほんまに？俺のこと騙してない？」
『騙してないから溶かしに来ないで絶対！！てか、正直自分でも依存部位脳だと思ってたし、もう訳わかんないんだけど…』

自分でもわかんない？そんなことある？
…でも、嘘は吐いてなさそう。素直な子やもんね。
そんなん…本人でもわからへんの当てるとか、無理に決まってるやん…