第2話 迷宮と要請 ページ4
嫌な予感はしてたんだよ。戦闘科って時点で。
でもよく考えないまま転校先決めちゃったんだもん！！
ハイ…自業自得でした。みんなはちゃんと色々調べてから転校先を決めることをお勧めします。
この学園は何でもかんでも戦闘で決める校則があるらしく、一応今朝HRとかで見た戦闘は、喧嘩ではなく“戦闘による決議”なんだそう。
流石は一応高偏差値！ただの野蛮なヤンキー高校という訳ではないんだな〜！
…決議なんて聞こえが良いだけの喧嘩だろ！！アホか！！私の平和な学園生活はどこ行った！？
もうなんか色々と怖いので、転校生によくある“校舎案内イベント”は自ら回避した。
職員室を出た今は、周りに注意しつつ校舎を一人で巡っている。
もうぼっちでいいよ…昨日までは友達出来るか不安だったのに、もう不安どころじゃない。
私は平和主義だ！転校初日に怪我したくないぞ！！
しかしこの校舎、結構広いな。
5階建てだし、横にも広くて教室が無数にある。
生徒手帳に書いてある校舎内地図を見てまわってるんだけど、全然覚えられる気がしないし今日帰れる気もしない。困った。迷うぞコレ。
でも誰かに案内を頼んで「じゃあバトル！」とか言われたら、たまったもんじゃないしなぁ…
いずれ戦うことにはなるんだろうけど、今日はまだ心の準備が出来てないっていうか…
？「マユミちゃあああん助けてええええ！！」
突然、そんな情けない男性の声が、後方の遠くから聞こえてきた。
振り返ると、そこには金髪の生徒に追いかけられている、眼鏡を掛けたメカクレ男子が、こちらに向かって走って来ていた。
？「そいつ捕まえろおおおお！！」
？「逃がしてくれええええ！！」
『は？え？私！？』
急に知らない生徒から正反対のことを指示されても…どっちの言うこと聞けばいいんだ…？
…でも、逃がしたらなーんかあの金髪の人に文句言われそうだな。見るからにすごいコネて来そうだもん。
しかも眼鏡の人、私を他の誰かと勘違いしてるしね。
もし金髪の人が悪い人だったら逃がしてあげるってことにするか！
『うおおおおおお！！！』
私は全力で眼鏡の人に向かって走り込むと、正面から抱きつくように飛びかかってそのまま地面に押さえつけた。
？「うおッ！？ハグが熱烈過ぎる…！！」
？「おおお前よくやった！！観念せえよ大先生！」
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煽り猫のあの人
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作者名：蜜川 | 作成日時：2022年11月12日 20時
