【d!】転校したら最強の生徒会を倒さなきゃいけなくなった件 (ページ27)

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第25話　初戦開戦◆第3者視点ページ27

中間試練、当日。

sha「緊張してる？」
『ちょっとだけ』
sha「へぇ、Aちゃんの異能なら余裕ありそうやのに」

シャオロンの言葉に、少しだけ目が険しくなるA。

試練は、試練専用の特殊フィールドで行われる。
フィールドには、外に異能力の影響が出ないよう、異能無効化能力者による加工が施されている。

テストとしての評価項目は3つ。その内2つは生徒に明かされていない。
唯一生徒にも知らされ、最も重要視されている項目が“勝敗”である。
『降参』と申告した者が負けになるルールのため、死んでも言わないようにする者が現れがちであるが、フィールド内にプログラムされた予知的セーフティシステムが、5秒後以内に致命的ダメージを予知すると、瞬時に作動して保護し、自動的に負けが確定する。
このセーフティシステムのお陰で、血気溢れる我々学園に死者が出たことは1度も無い。

sha「まぁ、確かにAちゃんの異能は戦闘向きではないか」
『うん…だからこの2週間、結構頑張ったんだよ』
sha「それは楽しみやわ。どんなことしてくれんのかな」

一方フィールド外には、生徒会が自ら設けた観客席があり、シャオロンを除く生徒会役員9名が顔を連ねている。
一般生徒の観戦は校則によって不可能であるが、これも生徒会だからこそ為せた業であった。

gr「奴がAAか…」
em「シャオロンさんがチートって言うてはった方やね」
tn「シャオロン、あんなこと言うてたけど大丈夫やろか…」
kn「あいつなら大丈夫やろ！絶対勝てるって！」
tn「それもそうなんやけど、俺は他に心配してることが…」

そこで、機械音声がカウントダウンを始める。

〔開戦まで…10、9、8、7…〕

sha「今日はお互い楽しもうや。そのためにAちゃんに果たし状出したし」
『楽しめるかなぁ…私、戦うの好きな訳じゃないから…』

〔4、3…〕

sha「…そうなんや。だったら…」

〔2、1…〕

sha「さっさと負けてくれる？」

0。
開戦のブザーが鳴り、視界に“BATTLE PHASE”のホログラムが現れる。
シャオロンは脱兎の如き素早さでAの元へ間合いを詰めた。
あまりの速さにAは認識が追い付かないまま、額に人差し指を当てられる。

sha「ばいばーい」

シャオロンは、Aの頭の中の“脳”の存在を強く、詳細にイメージしながら、異能力を発動した。
たちまちAの頭蓋骨内の脳が液状化する。
目玉をぐるりと回し、Aはフィールドの上にばたりと音を立てて倒れた。