第10話 保健室の神 ページ12
あれから3日くらいが経った。
この3日間、私と戦いたがってる人とやらに出くわさないようずーっと気を張り詰めていたが、なかなか出くわさない。追いかけ回してくるんじゃなかったの？
いや、ありがたいんだけど、ずっと警戒してると疲れるんだよ…
ずーっとビクビクしてるし、唯一安心できるのは授業中だけだし。
『…あ、誰なのか聞けばいいのか！！』
そういや、何年何組の誰かってことをまだ聞いてなかったわ！ハハハ！
鬱先生にでも聞こう、きっと教えてくれるはず…
「A！」
その時、担任の強面スキンヘッド筋骨隆々先生こと、拳固先生が私に話しかけてきた。
「言い忘れてたんだが、この後13時から保健委員の集まりがある。相方の高倉は休みだから、お前一人で行ってきてくれるか」
『あ、はい…わかりました』
そういや私、保健委員になったんだったわ。
楽そうな上に内申書に書いてもらえるからね！！
『13時って…あと5分！？』
しかも場所言われてね〜のに行っちまったよあの先生！保健室でいいのかな…？
とりあえず保健室に向かい、何とか13時丁度に到着する。
『失礼します…』
ノックして中に入ると。
？「はーい…あ、君は2年B組の子？」
中には、デスクの前の椅子に座る、白衣を身につけた男性の先生が。
顔に“神”と書かれた紙を貼っている。なんで？
『はい。AAです』
？「高倉君の方はお休みなんやね」
『そうなんです。今日は私一人で』
？「りょうかい。俺はしんぺい、皆からはしんぺい神とかぺ神先生とかって呼ばれてるよ。保健室にずっと居るから、何かあったらいつでもおいでな」
ぺ神先生…柔らかい喋り方がすごく落ち着く人だな。心なしかリラックスできている自分が居る。
si「簡単に仕事について教えると…まぁクラスでの傷病者を連れてきたり、学園祭とかの行事中にシフト制でここに待機して適宜対応するくらい。待機中はお菓子も本もあるから自由に寛いでてええよ」
なんだその天国な委員会は…！？完璧なまでに当たりだ！！
『応急手当とかはやらなくていいんですか？』
si「ああ、それは俺が異能力でやるから。生徒にも治癒系の子が居たらええんやけど、この学園にはなかなか来てくれへんようでな…」
すると、そこで突然保健室のドアが開いた。
？「すみません…治療してもらいたいんですけど」
入ってきたのは、顔に“天”と書かれた紙を貼り付けた男子生徒だった。
『…親子？』
？「え？…いやいや違う違う！！」
第11話 どうも、襟裳岬カナエです（偽名）→←第9話 しゃいこーりんぐ
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作者名：蜜川 | 作成日時：2022年11月12日 20時
