【男主】もう一人の劣等生

６　入学式 ページ8

達「俺の方で大まかな計算をし
予想だけを送っておくことにする
…って聞いているのか？」


『えっ‥と』


グイッと顎を掴まれ目線を合わせられると
更に熱が顔に集まってきてしまう


達「何考えていたんだ？」


立場が逆転する今度は
達也がクスクスと笑っている


『何もない』


達「…まあいい、そろそろAも寝るといい」


そう言い達也は顎から手をはなし
リビングの机でＰＣを立ち上げ作業をする


『そうさせてもらう
後、俺をからかうのも対外にしてくれ』


離れたことにホッとし胸を撫でおろす
コーヒーを用意し達也の作業する

ＰＣ横に置けば去り文句のように
上記の言葉を吐き捨ててやった


達「‥からかう？
例えば、こういう事か？」


コーヒーを置いた瞬間視界が揺らぐ
力強く引っ張られたと思えば
ソファーの上に押し倒されている

上に跨りながら
意地の悪い笑みを溢す達也


『こ、こういう事だ！取り合えずどけ』


行った傍から行われた行動に
呆れと驚きが混じる
グッと胸板を押すも中々動かない


達「対格差を考えろ
こういう時は隙を突くしかない」


『達也に隙なんかあるもんか』


降参とばかりに相手に身を任せる
敵わないと分かれば大きなため息がこぼれる


達「回被りすぎだ…」


呆れているとチュッと頬にキスが落ちる
ビクリと肩を震わし見上げる


達「おやすみ」


頬を撫でながら上から退く達也
今自分の顔がどれだけ
赤いかは言うまでもなく


『おやすみ』


目線を逸らしながらも小さい声で返事し
リビングを後に用意された自室に戻る


『行き過ぎた兄弟愛、か‥』


自室に戻ればベッドに倒れ込み
先程口付けられた場所を右手で抑える

兄弟愛の枠を飛び出ている行為に
少し戸惑いながらも
恋愛感情はないと断言できる事情に
うなだれる


『はぁ、寝よう』


もやもや考えるも分からず
寝ることを決めた
考えている間
辺りには複数の花が咲いていた


『…明日片付けよう』


見てみぬふりをすれば
パジャマに着替え瞼を閉じ
電気を消す

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