謝れば許されるとでも？

Savior…？ ページ26

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Aさんから送られてきたLINEの“会いませんか？”の文字

その6文字は、僕を喜ばすには十分で、すぐに返信した


送った後に見返してみて、少し勢いが強かったかな……と思いつつ、そうなるのも当然か、と思い直す

だって、好きな人からのLINEだもの。それも、遊びのお誘い

今までだって、何度か遊んでいるけれど誘うのは僕だったから


数分経っても返信が来ないので、寝ちゃったんだな……と思った

僕もそろそろ寝ようかな、と思いベッドに寝転がる

目を閉じると、昔の記憶が浮かんできた


Aさんを非難する声、凍てつくような眼差し、焦りを隠せない他の歌い手の顔

この事件があったから、Aさんに近づけた

この事件があったから、Aさんは僕のことを見てくれるようになった

この事件があったから、邪魔だった周りの歌い手は自ら離れていってくれた


そう、全ては愛猫さんが起こした事件が引き金なんだ

最初は、Aさんの居場所を奪い、彼の精神をボロボロにした愛猫さんに、恨みともとれる感情を持っていたが、今やその恨みは感謝に変わっている


そして、少しでも触れれば、氷の針で全身を貫いてきそうなほど、歌い手に対して警戒心をむき出しにしていたAさんに近づけたのも、あの事件を周りに流されず自分で考察したおかげだ

僕には仮説を立てれる力があった。他の人は、状況判断しかできなかった

僕は氷の鎧を纏ったAさんが、その鎧の中で泣いていることに気付いた。他の人は、Aさんの状態なんか気にもかけずアンチを続けた

僕はAさんの氷を溶かし、彼の心の拠り所になった。他の人は、慌てふためいていた


この1つ1つの行動の違いが、現状のAさんの信頼度の差になっている

そして、僕の最終目標に一気に近づけた理由でもある


もう少し……もう少しの我慢だ………と思い、浮かんだ記憶を振り払って眠りについた


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