さん ページ4
Aside
その翌朝のこと。私は常に早め登校なので大抵朝練の人を除けばその時間帯は誰もいないことが多い。
だが、今日は門の前に人影が見えた。珍しいななんて軽く思った自分を今の私からすると返してほしい。
スマホ片手に塀に寄り掛かっている、その姿。
スラリとした長い脚と風に揺れる髪が近づくにつれてはっきり見える。
そして思った、違う、あれは見覚えのある姿。
『もしかして、』
私が小さく呟いたのと同時に、その人物がスマホから顔を上げた。
そしてなんと、私に向かって片手を挙げた。
その瞬間、失敗したと思った。あれは私を待っていた様子だ。自惚れてはいない、だけどきっとそうだ。
逃げる間を失ってしまった私は、どうしようもなく、結局知らない振りをすることを決心して足を動かした。
心臓がﾊﾞｸﾊﾞｸと慌ただしい鼓動をあげているのを必死に抑えながら。
「何で無視するん？」
私はその声もスルーして、下駄箱まで行こうとした。
が、それは出来なかった。
「待ってや！」
腕を捕まれて後ろから引っ張られる。
『……何の用ですか』
振り返ってみれば、やはりそこには昨日の彼___センラ先輩の顔があった。
「名前、教えてや」
『お断りします』
「何でやねん」という声を背にまた歩き出す。
今度は追い掛けて来ないのかと思いきや、私の後ろをずっと付いてきた。
『ストーカーですか、悪趣味ですね』
前を向いたまま言う。次は何て返ってくるんだと身構えていた、しかし何も返って来なかった。
あれ、と思って振り向くと口を開けて突っ立つ先輩がいた。
『え、大丈夫ですか』
素直に心配になって声を掛けると、元に戻った。
「Aちゃんから喋ってくれて、嬉しかった」
ボソボソと小さい声で喋っているのは不思議と子供っぽくて何とも言えなかった。
違う違う、そんなこと気にしていては駄目だと頭を振った。
『…何で私の名前知ってるんですか』
先輩はﾆﾔﾘと笑ってから答えた。
「それくらい当たり前や、AAちゃん」
『…本当は何の用なんですか』
私の質問に、急に真顔になった。
そして私の後ろにあった壁に手を置いて、答えた。
「俺に惚れる気ない?」
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彩雲 朱瑠璃 - 読みました！すごかったです！文才が！とっっってもキュンキュンしました！最後の縦読みがすごかったです！感動しました！ (2022年1月8日 17時) (
レス) id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» 伝わったよ大丈夫!!◎ 推しは尊いものです！！！ (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - CIEL☆さん» とにかくキュンキュンしたって言いたかったの！ てか、推しが尊い← (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 大崎 奏葉さん» かなはちゃんありがと!! 縦読みあたし好きなんよ……!! 楽しいから使ってみて〜!! キュンキュンの……キュン言いすぎて何か分かんない 笑笑 (2020年3月9日 19時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
大崎 奏葉(プロフ) - 文才あるわ……縦読み、今度使ってみようかな！ あと、キュンキュンのキュンのキュンしたよ！←え (2020年3月9日 19時) (レス) id: 289cb6b285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CIEL☆ | 作成日時：2019年3月28日 17時
