惚れるわけないから。【snr】

にじゅうさん ページ24

Aside




数日後の事だった。
猛暑日だというのにも関わらず、体育大会が行われた。


次に私が出場する種目は不運にも一番暑い昼の時間だ。

他の種目にしておけば良かったかなぁと今更ながら思う。



競技中の種目に目を戻すと、どうやら男子の200m走だそうで。


スタートの合図に合わせて勢い良く駆け出していく。
そんな数名の姿を暫くぼーっと見ていた。



そこに、見馴れた彼の姿があった。




『あ、せんぱ…』





センラ先輩___


先輩は一生懸命だった。
私がいつも見ていた先輩とはまた違うようで。


あぁ、私とは全然違うんだなと改めて実感させられる。



その時ふと真横から視線を感じた。
でも次の走者が先輩だったので私はそれを無視をしようと思った。

にも関わらず、視線は無くならなかった。
私は諦めて少々苛立ちながら目を動かすとそこには、……え？





「なぁA、」
『え、ぁ……えと』





こんな状況だから私が戸惑うのを許して欲しい。
きっと今私は間抜けな顔でもしているのだろう。


そんな私を真剣そうな顔で見ている、いやもしかすると睨んでいるのだろうか。



でも私の、大切な幼馴染み。





.

『志、麻……？』

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