ゼロから始める関係性がいい。【安室透】

２６から ページ28

Aside


「僕のこと嫌いですか？」

「どうでしょーね」

「…先程は本当にすみませんでした。
あ、そうだ『君ラック』のチケット二枚あるじゃないですか。一緒に行きません？」

「何がそうだ、なんですか？貴方友達と行ってこい言うたやないですか。大丈夫ですか頭ほんと」




ついに言ってしまった頭大丈夫ですか。

ほんと心配になってくる、頭おかしいだろこの人。私のこと疑ってるだとかなんだとか言っときながら何？今何？

気になってた？は？嘘をつけ意味わからんわっていう感じだ。




「『君ラック』って、二週間後でしたよね。昼一時からだから、昼の十二時半に現地集合しましょう」

「あの勝手に決めないでくれますか？あの、え？強引ー。イケメンってこんな強引なんですか？」

「ありがとうございます」

「安室さん一旦黙りましょう。貴方自分の都合がいい事しか耳に入ってない」




嘘だろ。もっと常識ある人かと思ってたわ。




「今日ストーカーから守りました。そのお礼でいいですよ」

「ずっる！！」

「なんとでも言ってください。僕は、Aさんのことを改めて知りたいんです」

「やめろー…ハニトラかけようとしてくるなー…」

「してませんよ」




あはは、と笑う彼にジトーっと疑いの目を向ける。

可笑しいだろ明らかに。



あの天下の公安様と呼ばれるところにいる人が？

ゲーム会社に務めてるタダの会社員と仲良くなんて…しかも気になってたとかとってつけた嘘だろ。

兄貴なんかいらんことしたんかな…。

その恨みとかで。



私は思わず、はぁああ、と長いため息をこぼした。

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