ファッションセンス皆無の時間２ ページ34
菊地原side
僕の彼女さんは驚くほどにファッションセンスが皆無である。
素がいいのに着飾り方が下手くそだから酷くもったいない。
僕はもともとそういうことに疎かったし、興味すらなかったけど…あまりにも見てられなかった。
ほっとけば毒々しい色をした派手なＴシャツを買おうとするし、どこのブランドかわからない奇抜なワンピースを手に取るし、こんなのどこで履いたって違和感あるズボンを試着しようとするし。
必ず入ったどんな店でもハズレ商品を引くのだ。
彼女は何がおかしいの？という顔して毎回首を傾げるもんだから、二人で服を買いに行くときは苦笑いも一緒についてくる。
でも僕がこっちのほうがいい、といえば確かに、と納得してくれるから…きっと僕以上に着飾ることに頓着していないのだろう。
「これ試着してくるわ」
「あ、ちょっとま」
「あれAじゃん」
目を離した隙にさっきから持っていたセンスゼロの組み合わせを試着室へ持っていこうとするAちゃん。
そんな彼女を止める前に、金髪の派手な女が彼女の名前を呼んだ。
何度か見たことがある、確かクラスメイトで仲のいい友人だったはず。
名前は、えー。
「莉緒ちゃーん！」
そう、リオ。ナカムラ リオだ。
Aちゃんからの話で結構出てくる。
カエデチャン、ナギサクン、マエハラ、スギノ、カルマクン、そしてリオチャン。
僕と会った時、学校で合ったこと面白かったこと等を話してくるから、その中でこの誰かの名前が度々あがる。
そんな話の中であがる名前で、一番気に食わないのは勿論カルマクン、だ。だってアイツ絶対気があるじゃん。
「って、あらら〜？デートかしらぁ？」
「へへ、そーです」
ニヤニヤする口元を手で隠しながら茶化すリオチャンの言葉に、嬉しそうに笑いながら答える彼女。
いいねぇ、なんて言ってAちゃんの肩をツンツンしながら僕を見る目は何となく居心地が悪い。
パッと目線を外して、彼女に合いそうな服を探す。
「莉緒ちゃんも服買いに来たの？」
「いんや他のモノ買いに来た。…ところでソレ、買うの？」
リオチャンは先ほどまでニヤけていた顔から真面目な顔をして、彼女が持っているソレを指さした。
「試着してみようかなぁって」
「その、組み合わせを？」
「え？うん」
首を傾げるAちゃんに、自然と僕たちは苦笑いを浮かべる。
僕はそっと彼女の手にあるセンスがないせいで可哀想になったズボンを取り上げ、さっき見つけたいい感じのズボンを握らせた。
．
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kkkko(プロフ) - アカウント変わってしまいましたが以前から何度も読ませて頂いております。難しいとは思いますが続きを楽しみにしています。 (3月24日 19時) (
レス) id: 058d8792d8 (このIDを非表示/違反報告)
出水紫苑 - 初コメ失礼します。出水紫苑です。突然ですが、交換宣伝という形で宣伝していただけないでしょうか？ご検討お願いします。 (2023年1月23日 10時) (レス) id: ea54a37ee4 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - 初コメ失礼します！本当に面白くて一気読みしてしまいました！もう続きは書かれないのでしょうか？… (2023年1月1日 3時) (レス) @page35 id: fce29c8a64 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - まりりさん» 初めまして！ありがとうございます、嬉しいです！コメントいただいたのでちょっぴり頑張ってみました笑 ちょこちょこ終わりに近づけるよう頑張っていきます！ (2022年2月17日 1時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
まりり - はじめまして。本当に面白いです。いつか続きが出ることを願ってます！ (2022年2月16日 17時) (レス) @page33 id: c117514f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年3月11日 14時
