*ﾟ*金魚花火20*ﾟ* (ページ4)

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【５４８】side Hayato ページ4

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雅紀『これで、最後になるから。分かってるよね、どういう道を選ぶにしたって

君が俺みたいなのと関係があったら君にとって不利になるんだ。今の、君のお父さんみたいに』

駿斗「………」

雅紀『最後に、伝えておくよ。俺の本音だ』

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雅紀さん！って、向こうで誰かが彼を必死に呼んでる声がした。

緊迫感がこっちにまで伝わってくる。

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雅紀『俺はうらやましかったよ。君は嫌がってたけど、父親に構われてる君が。

なんだかんだで父親の愛情を感じたことのある駿斗くんが、うらやましかった。

うん、だから……そうだね、ちょっと嫌がらせだったかも。

俺は、そういうものに縁のない人生だったから』

駿斗「雅紀さん……今、どこにいるんですか……？」

雅紀『………見なかったことにしてもいいけど、話し合いの切り口にぐらいはしてもらえるといいな。

その情報、それも確定的なヤツ。一応、駿斗くんのために俺が頑張って入手したからさ』

駿斗「俺、まだ雅紀さんに話したいことがあるんです！聞いてもらいたい話とか、相談とか……だから、まだ……まだ…！」

雅紀『お父さんと話し合って、どうするか決めな？ちょっとやり過ぎな感じはあるけど……駿斗くんを心配したり、駿斗くんに期待したり……それがお父さんの行動の理由だと思うから。

そしてもし、少しでも駿斗くんの中にお父さんを守りたいって気持ちが残っているのであれば

絶対に、鳴上組とのことは伏せておくんだ。いいね？』

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雅紀『自分の親と話し合う猶予が残ってるのって、実はとっても幸せなことだと思うよ』

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電話は切れた。最後に、銃声のようなものが響いてた。

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毎日、扱われるニュースのほとんどは政治家の汚職だとか責任問題だとか

あとはあまりにスケールがでかすぎる国際問題。よその国のクーデターとかデモとか。

だけど今日も、病気とか事故とかで、大切な人を亡くす人はいて。今日も何かしら死んでる人はきっと身近な場所に、いて。

それらは報道されないけど、報道される価値がないほどちっぽけだってことではないと思うんだ。

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駿斗「雅紀さんにも……俺は、無事でいてもらいたいですよ……っ」

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どんなに希薄だと思い込んだ関係でも捨てきれないのが情だ。

人と人との繋がりっていうのは面倒で、そして尊い。

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