*ﾟ*金魚花火20*ﾟ* (ページ3)

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【５４７】side Hayato ページ3

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新聞を毎朝、取りに行くのは子供のころからの日課

父さんが起きるより早くに取ってきて「おはよう」って言いながら手渡せば

「いいこだな」って頭を撫でてもらえたのが、嬉しくて嬉しくて

いつしか俺も子供じゃなくなって、そうやって褒めてもらえることがなくなってからも

ずっと続けていた習慣。それすら、この人は把握してたんだろうか。

……してたんだろうな。俺が、真っ先にそれを見つけることが分かっていなければ

ポストに投函するなんて方法で、こんな決定的なものを寄越すわけがない。

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雅紀『良く撮れてたでしょ？』

駿斗「……どういうつもりなんです」

雅紀『………俺は、君に感謝してる。俺の計画の一端を担ってくれた駿斗くんに、だからちょっとした謝礼だよ』

駿斗「謝礼って……こんなもの、送ってきといてよくも……！」

雅紀『大物政治家と裏社会の暴力団に繋がりがあった。よくある話だよね』

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ポストに入ってた茶封筒の中には、写真が１枚

そこには俺の父親と、さっきのニュースでも顔が出てた

殺されたっていう鳴上組の組長が写ってて。料亭なんて、〝いかにも”な現場を押さえられてる。

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雅紀『そういうのを取り締まるのが、君の目指す仕事なんじゃないの？』

駿斗「雅紀さん！」

雅紀『それとも自分の親父を罪に問うのは心苦しい？……だったら、その写真は見なかったことにすればいい。

心配しなくても、俺もこれ以上何もしないよ。この事実を知る他の人間も……俺が、口封じはしておくから。

だから、駿斗くんが何も行動を起こさなければ、君のお父さんはこの先もずっと政治家として皆の尊敬を集めながら、立派な人物として生き続けられるんだろうね』

駿斗「……っ、どういう嫌がらせなんですか、これは……」

雅紀『だから謝礼だって言ったでしょ。脅しぐらいにはなるんじゃないかなって。

お父さん、もう駿斗くんに跡を継げとかうるさく言わなくなるんじゃない？

―――俺は責めないよ、駿斗くんが何もしなくても。自分の肉親だ、甘くなるよね』

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ニュースでは、鳴上組分裂騒動の黒幕として

組に入って間もない、しかし既に幹部入りしているという男の存在が語られていた。

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