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『はい、知ってますよ。政府公認の武装警察ですよね。』

そこで、バスの中で痴漢の容疑をかけられた近藤さんを思い出す。
尋常じゃない汗を流しながら必死に違うと否定をしていた近藤さん。もはや必死すぎて怪しさすらあった。
あれは自分が警察だからだったのか。痴漢として突き出されてしまったら警察としての威厳が無くなってしまうからだったのだろう。
そもそも威厳とかの前に同僚に痴漢として出されるなんてとてつもなく嫌だろうし。

なるほど、なるほど。と勝手に自分の中で納得した私は改めて
良かったですね、近藤さん···。と思った。

「あぁ、ご存知でしたか!えっーと、Aさんは何をしてらっしゃるんですか?」

『あー···。』

その質問に言葉を詰まらせてしまったのを近藤さんは

「あ、いや!無理にじゃなくていいんですよ!」

と気を使ってくれた。

うーん、別に言うのが嫌とかじゃなくてなんというか······まぁいいか。

『いや、別に大丈夫です。というか私何もしてなくて、ニート?っていつやつだと思うんですよね。』

思い切って言ってみたが。そう、私には職が無いのである。

「あっ、そうでしたか······!」

明らかに気まずそうにする近藤さん。地雷踏んじまったという表情だ。

そう、こういう顔させちゃうから言うのを悩んだのだ。別にどうも思ってないんだけどなぁ

『あんまり気にしなくて大丈夫ですよ。ぼちぼちバイトでも見つけようかなと思っているので。あっ、そうだ。いい仕事ありませんか?ほら、近藤さんって真選組なんですよね?じゃあ公務員じゃないですか、いいのあったら教えてくださいよ』

気まずい雰囲気を壊す為、ちょっと茶化した口調でいい仕事あったらというような事を話した。
もちろん、本気で言ってる訳ではなく冗談のつもりで。

「···あっ!」

それを聞いた近藤さんは少し考える素振りをした後思い出した様に声を上げた。

『···?』

「いや。でもなぁ···」

ブツブツと独り言を言った後パッと顔を上げて私をしっかり見ると

「あのですね、Aさん」

と真剣な表情で近藤さんは話し出した。


「いや、別にAさんが大丈夫ならなんですがね。俺らのいる真選組って所でお手伝いさんを雇おうという話になってまして···。ほんとにもし良ければ···」

そこまで聞いて私は

『ぜひ。』
と話を遮る速度で返事をした。

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作者名:しおお | 作成日時:2021年9月27日 17時

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