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「華麗なるお嬢さん……是非とも私と心中してくれないだろうか!」

つい先程まで依頼の相談をしていたのに、何故こうなったのか。
Aはダージリンティーが注がれたカップをソーサーに戻して息を吐いた。



あの後、密売者の正体を暴く為に現場へ行く事になったのだが、太宰がAちゃんは病み上がりだから今日は休ませてあげよう。と彼女を案じているのか自分がサボりたいだけなのかわからない提案をしたのだ。

如何してAも同行するのか。答えはシンプルで、"名探偵が助言した"からである。

社の柱である乱歩の言葉は必ずと言っていい程当たるので、そうなったのだ。



「谷崎さん。彼は女性と遊ぶ趣味をお持ちなのでしょうか?」

「い、いや太宰さんはちょっと…否かなり変わっていてね」

「では、自 殺志願者ですか?」

「そうなのですよAさん。太宰さんは仕事中によく入水を試みますの」

毎回失敗するのですけれど。ナオミがショートケーキを頬張りながら言った。
隣に座る谷崎との距離は0に等しく、相変わらずだ。





「自 殺、ねぇ……」





Aは目を伏せて紅茶をスプーンでかき混ぜた。


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小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時

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