34話 ページ34
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影山が滑り込んでレシーブしたボールを烏野の主将である澤村があげる。
「オーライ！ラスト頼む！」
少し短かったようだが、エースに託されたボールだと誰もが思っていた。
ボールだけを見て、助走をつけて飛んだ。
エースのボールを奪おうとするだなんて誰が思うだろうか。
東峰の横で日向も飛んでいた。
ただ、ボールを見ていた。
真っ直ぐに、キラキラとした眼差しで。
『へぇ…』
若葉はおもむろに立ち上がった。
空中で同じボールを目指して飛んでいた2人はぶつかり、床に叩きつけられるように日向が吹っ飛んだ。
行場を失ったボールがトントン、トン、と軽い音を立てて床を跳ねる。
「す、すみませんん、ついボールだけ見てて！！すみません、大丈夫ですか！？」
「俺は無傷だよ」
床に擦り付けるかのような土下座をする日向と、大丈夫だと慰める東峰の会話に若葉はネットポールまで近寄り声をかけた。
『チビちゃん、頭打ってませんかー？氷持ってきましょうか？』
「日向は何ともないか？」
「ハイ、大丈夫です！！」
あざす！と綺麗な90度のお辞儀をもらった若葉は人当たりの良い笑みを返した。
猫又の横に戻ったけれど、床に座らずに立ったままだった。
そんな若葉に猫又は視線をコートに向けたまま問いかける。
「何か気になることでもあったのか？」
『まあ、ちょっとだけ』
こんな若葉は初めてだった。
笑っているわけでもない。
いつもの貼り付けた笑みでもない。
金茶色の瞳が光に当てられてキラキラと瞬く、ワクワクしてるそんな感じの。
「なぁ、影山」
「あ？」
「ギュンッの方の速攻……おれ、目ぇ瞑んの、辞める」
日向と東峰がぶつかって、それに加えて日向の言葉に烏野はどこか緊張が走っているかのようだった。
そして、その雰囲気のまま音駒がセットを取り、試合が終了した。
「烏野、ピリピリしてんな」
「チビちゃんとエースがぶつかったからな。ウチだって、もしも山本と研磨がぶつかってみろ。慌てるだろ」
「大事なセッターに何かあったら大変だしね」
「俺の心配はないんすか…」
夜久の言葉に返す黒尾の例えに、海が顔をタオルで拭きながらそう言った。
そんな海の言葉に少しショックな山本。
ゾロゾロと若葉の横に置いてあるスクイズボトルが入ったケースに寄ってくる。
音駒はドリンクを手渡しするタイプではないため、自分で取りに行くのだ。
試合が終わったあと、若葉が気になった点をノートにまとめたりしているからである。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
