75話 敗者は勝者に従わなければいけない(約束したときのみ) ページ35
◇
私が放ったボールは弧を描いて、バスケットゴールの中にスポッと綺麗に入った。
「ナイスA!!」
「...今日と明日合宿なの知ってるよな?」
「え、うん」
「なんでバスケ部の練習試合に助っ人として呼ばれてんの?」
「テストの点数で競ったじゃん。負けたらその人の言うこと聞くって」
目の前に居る黒髪ポニーテールの女の子、名を
成績優秀、スポーツ万能。人気者の彼女は私に勝負を仕掛けてきた。
それは
「今度の期末テストの点数で、負けたら相手の言うこと一つ聞くってどう!?」
というものだった。
「臨むところだ!!」
とその勝負に乗ったのだが、凄く後悔している。
結果、葉月の合計点と私の合計点の差は6点。
順位で言うと、葉月は16位で、私は19位。
そんで、彼女の言うことを聞くことになったのだが、彼女はバスケ部でして。
元チームメイトだったりしまして。
元バスケ部の私にお願いしてきたのであった。
「骨折で出れないレギュラーの子の代わりに、出て欲しい」
と。
敗者は勝者に従うシステムだったので、断ることも出来ずにやってきた今日。
合宿なのに。
酷い子だ、葉月!!
そんな子に育てた覚えはない!!
☆☆☆☆☆☆
休憩が入ったので、体育館を出てもう一つの体育館へと向かう。
そこでは練習試合があってるはずだ。
扉から顔を覗かせると同時に見えたのは、
「リエーフ、ブロックド下手!!」
思わず叫んでしまった。
どこの学校かわからないが、相手のスパイクをブロックしようと飛んでいるんだけど、その時の手。
それじゃ、ブロック出来ない。
私の叫び声に「ヒェェッッ!?Aさん!?」と肩を震わせたリエーフ。
振り向いたら怒った私がいるのだから、驚くのは当然か。
「リエーフ何回も同じこと言わせんな。この前何っつったよ?あんだけ時間かけといて出来ないとか信じられねーから」
「でも、研磨さんのトスとは合いましたよ!!」
「当たり前だろーが。研磨とのトスに合わせきれねぇ奴は殺 す」
前よりも当たりが酷い!と呟くリエーフに睨む私と、それを見て苦笑する音駒の皆さん。
「私が戻ってくるまでに、そのド下手ブロックどうにかしろよ、いいな?!」
「了解です!!」
ビシッと敬礼をするリエーフにこくりと頷いた後、後半試合のために、元いた体育館へと足を向けた。
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ハイキュー!! - 白布く〜ん!←そこっ!? (2021年4月8日 23時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
うい - はい!!!!ありがとうございます!!!!!!すっごく嬉しいです、、、、ああもう今から口悪い子がいいなぁとか頑張りやな感じもいいなあ妄想膨らんじゃいます!!!笑笑 更新頑張って下さい!!!!!応援してます!!!!! (2021年3月10日 0時) (レス) id: 98c2d3c7fd (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます。気分を害するなんて...全然!!むしろ嬉しい限りです!黒尾さんの小説ですね、色々落ち着いたら書いてみようかな?とりあえず青猫ちゃんの更新を頑張ります(●´▽`●) (2021年3月9日 20時) (レス) id: 43aab8f9d8 (このIDを非表示/違反報告)
うい - それと、気分を害してしまったら申し訳ないんですが早夜様、黒尾君の小説はお書きになられないでしょうか(下心)早夜様のお話の書き方がとっても好きなので是非推しの作品も見てみたいなぁと思いまして。1ファンの提案なので本当に気分を害してしまったらすみません (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
うい - とっても面白い小説で感動しました、、、、クロ推しで気まぐれでこちらの作品を見たのですが想像以上に面白くってイッキ見してしまいました、!!!!!!!!更新ゆっくり待っていますので作者様のペースでお書き下さい!執筆応援しています。 (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年1月6日 19時