91話 ページ44
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返ってきたボールをネット際で叩き落とした赤髪が「ビクトリィィ！！」と叫ぶのを見て、若葉は口を開いた。
『まだあと2点だけどね』
「やっぱウシワカそっくりだ。きっとあいつも若葉ちゃんと同じこと言ってるよ」
その通りだった。
ウシワカのサーブを澤村が上げて、周りがアンダーで繋ぐ。
チャンスボール。
どう使うかな、と少しワクワクしていたら、白鳥沢のセッターはツーアタックを繰り出した。
『へぇ、兄さんに頼るだけじゃないんだ』
「あのセッターはウシワカに従順すぎるから、ウシワカの配分を考えてんじゃないの？ま、俺にはカンケーないけどね！！」
『……ツッキー、やるな』
「どこをどう見てそうなった？」
『まあ、見ててください。ウチの主将の弟子はやりますよ』
日向がコートインして、月島が何か日向に向かって話していた。
何だろうかと不思議に思ったが、日向のブロックがワンタッチになった。
なるほど。
よく相手セッターのことを読んでいるものだ。
速攻が来るとわかって日向に全力で跳ばせ、チャンスボールを狙う。
いい戦略である。
勢いよく飛び出した日向と田中。誰が来ると身構える白鳥沢を嘲笑うように影山はツーを繰り出した。
「やり返しやがった。あの負けず嫌いめ…！」
『及川さんもやり返すでしょう。流石、及川さんの後輩』
「それやめて！？…このセット、烏野に取られるね」
『話変えましたね。烏野は不思議がいっぱいですから、調べても調べても新発見が多い』
「何その、小学生の自由研究みたいな」
『クワガタってひっくり返ることが多くなると寿命が近いそうですよ。ひっくり返ってるの見つけたら助けてあげてください。そのまま死んでしまうかも』
「なんでクワガタ？？今の時期いないけど？？」
『人もひっくり返ったままだとそのまま死んでしまうかもしれないので手を貸してあげてください』
「若葉ちゃんは俺のこと何だと思ってるの？？ていうか、何の話？？」
若葉はじっと月島を見つめた。
月島に諦めるなんて言葉はもうない。
地道に少しずつ寿命を削っていく。
いつかひっくり返って、そのまま果てるまで。
『タダでは通さない……いいね、そういうの大好きだ』
月島のブロックはウシワカに飛ばされるが、日向が追いつき、拾った。
ドシャットできたら、それは素晴らしいことだ。
けれど、月島は知っている。
若葉が教えてくれたことは全て頭に入っている。
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
