五話 走馬灯なのか ページ6
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壁際に追い詰められ、ズルズルとしゃがみ込む。力が入らない。立てない。
彼奴が私に拳銃を向ける。
ああ、引き金を引かれる。
瞬間、見えなかった。
吹き飛ばされたのか、何なのか。でも意識が朦朧とする中、見えたのは私に駆け寄ってくる橙色の髪。焦ったような声で私を呼んでいる。
その後ろを黒い集団が通り過ぎていく。そして私の体は浮遊し、意識が途切れた。
「____姉さん、本当に出ていくの?」
『借金返せって五月蝿いから、稼がなくちゃいけないじゃん?』
「でも、僕、姉さんが居ないと……」
『大丈夫だって。私が居なくても敦は大丈夫!なんたって、私の弟だもん』
「うん……」
俯く白髪の頭を、今と対して変わらない大きさの手で撫で回した。
やめてよ、と云いながら顔をあげる大事な大事な弟に満面の笑みを向ける。
『私はずーーっと敦の味方だ。
皆が敦を罵ろうが莫迦にしようが後ろ指をさそうが、私は敦の味方だ。だから、寂しい時は私の処においで』
今思えば酷い言葉を吐いて、泣きそうな顔の弟の元から離れたのが私の後悔であり、人生最大の誤ちであったと思っている。
何時も何でこの夢で覚めるのか。
ボーッと知らない天井を見つめていると、視界に金髪の女の子が見えた。
「リンタロウ、起きたわよ！！」
誰かを呼び、私にまた向き直った女の子。人形みたいだな。
「大丈夫？死にそうだったけど」
『目覚めは最悪、腹は痛い。大丈夫に見える？』
「大丈夫そうね」
『おい？話聞いてた？』
上半身を起こそうとすれば、腹の傷が響いて顔を顰めた。
「ダメじゃない！！まだ寝てなきゃ！！」
「エリスちゃんの云う通り。応急処置をしただけで治ったわけではないよ」
エリス、というのはこの金髪の子か。黒髪に黒い服を着た男の人がエリスの側に立っていた。
私は自分の体を見下ろした。服変わってるんだが。
『貴方が私を？』
「中也君が血相変えて君を連れてきた時は吃驚したよ。血だらけで脈も弱かった」
『助けてくれてありがとうございます』
頭を下げれば、肩に髪が垂れた。髪も解けたのか。
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早夜(プロフ) - わにゆずさん» ありがとうございます！忙しくて放置していたら、もうすぐ１ヶ月経ってしまうところでした。近々更新しようと思ってるので待っててください！！ (7月2日 11時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - がんばってください！ (6月13日 21時) (レス) @page21 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
志希 - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!頑張ってください!! (2023年3月16日 19時) (レス) @page14 id: c4ce57e384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年3月8日 17時
