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十一話 凡て納得、少し大袈裟 ページ12

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カウンター席から対面の席へと移動し、金髪の男性と焦茶色の髪の男性の向かい側に私と敦が並んで座っている。

その他の人達は金髪の男性達の背後から顔を覗かせていたり、私達の後ろから顔を覗かせていたり。




「敦、の姉と云ったか?」

『あぁ、名字が違うのが気になりますか?私も孤児院育ちなんです』

「なるほど………」

「Aちゃん、私と心中しないかい?」

「ちょ、太宰さん!!姉さんは駄目ですから!!」

『心中、響きがとても良いですよね。借金なんか放り出して、いっその事死んでしまおうか……』

「姉さん絶対にやめてよ!!」




冗談、冗談。そう云って軽く笑ったが、横からの視線が痛い。

太宰さん、そう呼んでいた人が「それはそうと」と真剣な目をする。

なので、私も真剣な表情をした。





「君は、敦君が異能力者であることを知っていたかい?」




思わずポカンとした。

拍子抜けしてしまったというのか、力が抜けてしまった。


私は頷いた。




『施設で敦が異能力者であることを知らない人は居ませんでした。そして、私も異能力者であることを知らない人は居なかった』



異能力者。私もだと云った瞬間、目の前の二人だけでなく、その後ろにいた人達も、私達の背後にいる人達も目を見開いて吃驚した気配を感じた。


私は鞄から砂時計を取り出す。




『私の異能力は、砂時計の砂が落ち切るまで対象物を止める事ができる』

「もしかして」



太宰さんの言葉に頷いた。



『私が施設にいる間、異能力を制御できずに暴れる敦を異能力で止めていた。けれど、私が施設を出てから今日まで、

施設に虎が出た。街に虎が出た。

終いには人食い虎だと云われていることを知り………』

「敦君を探しに来たわけか。でも、少し遅くはないかい?」





太宰さんの鋭い視線に項垂れる。

ご最もです。私も思ったよ。


絶対云われるって。





『………事件に巻き込まれて怪我を負いまして』

「怪我!?姉さん怪我したの!?」



横から悲鳴のような大声が上がる。




『あぁ、大したことない。腹に銃弾が通過しただけ』

「いや、大したことあるよ??」

「ほら、太宰さんも云ってるし!!」

『もう大分治ったよ。まだ包帯巻いてるってだけで』

「Aちゃん、それ完治してないだろう」

『完全には治ってないだけで大丈夫ですって』

「与謝野先生、」




与謝野先生。そう呼ばれた女性は私の腕を引っ張り、「さぁ、行こうか」と微笑んできたけど、橙色の髪の人が私に向かって手を合わせてるのが気になるんですけど。ねぇ?

十二話 暴れすぎなのか、それとも→←十話 負い目を感じていた



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早夜(プロフ) - わにゆずさん» ありがとうございます!忙しくて放置していたら、もうすぐ1ヶ月経ってしまうところでした。近々更新しようと思ってるので待っててください!! (7月2日 11時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - がんばってください! (6月13日 21時) (レス) @page21 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
志希 - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!頑張ってください!! (2023年3月16日 19時) (レス) @page14 id: c4ce57e384 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早夜 | 作成日時:2023年3月8日 17時

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