氷のシンデレラ−エピローグ− ページ44
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春が終わって、夏が来る。
季節が変わっても、彼女がやる事は変わらない。
自分の剣の腕を磨き、毎日よく食べて、よく寝る。
大事な人たちと楽しく過ごす。
稲妻の人は口を揃えて言う。
___氷の剣士様は、一番の幸せ者だ
と。
「彩葉、今日は久しぶりの休暇ですし何処かに出かけませんか」
「勿論です。神里様」
もう彼女の心に不安などない。
愛する人がいるから。
彼女は心から幸せだと思うのだった。
(いつになったら、名前呼びにしてくれるんですかね)
それはもうちょっと先かも……?
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「ふふっ、彩葉の人生はなかなかに面白いな。
そうじゃ、彼女がモチーフの娯楽小説でも出すかの。
そうじゃな…氷の剣士だとタイトルに面白味もないし、彩葉に即刻バレるじゃろ。
ふむ……あ。」
【氷のシンデレラ】
「うむ、バッチリじゃな」
八重堂が一冊の娯楽小説を出した。
彩葉をモチーフとした娯楽小説『氷のシンデレラ』は、さまざまな国で大人気になったそうだ。
まぁ、彩葉がモチーフだとすぐにバレて、八重神子は彩葉からこっぴどく怒られたが。
めでたしめでたし。
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作者名:ふく | 作成日時:2022年10月14日 19時