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待って。ここはもう売りに出されて、そして誰かに買われて、もう立ち入ることは出来ないのに。
何故。
「まさか！」
「そうです。私がこの屋敷を買いました」
「なんで？！」
「あなたが過ごしたところが他の誰かのものになるのが嫌だったからです。私のプレゼントが、あなたの中での一番になると良いのですが」
言葉が出なかった。
実のところ売りたくはなかったんだ、私も
「最高の誕生日プレゼントです…」
「ふふっ、それは良かったです」
「ありがとうございます…」
楽しい思い出が蘇ってくる。
「神里様、大好きです」
「……！」
抱えられていたので、ちょうどいい場所にあった頬に接吻をした。
ちょっと照れ臭いけど。
「唇にはしてくれないのですか？」
「？！」
意地悪そうに微笑む。
私は顔を真っ赤にする。
そっと、私たちは唇を重ねた
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「こういう目的だったんですね…」
「えぇ、まぁ。城下町にも屋敷がちょうど欲しかったですし」
あれから、暇があれば私は斉藤家の屋敷に行っていた。
どうやら神里様は、城下町で休むところが欲しかったようだ。
あわよくば、泊まれる所が。
神里家の使用人がせっせと仕事をする。
「神里様って私の為に、忙しいのに時間を作ってくださってくれてたんですね」
「あなたと過ごす時間が一番好きですからね」
「ふふっ。ありがとうございます」
「ですが、そろそろ行かなければ。集まりがありますから」
縁側から立ち上がって、神里様が門へと行く
私は彼を見送る為に、着いていく
「今夜はこちらの方に帰ります。神里家の方に帰ったら遅くなりそうですからね」
「お待ちしていますね」
「はい。それではいってきます」
「！」
私の唇に接吻してから彼は行った。
門番が気まずそうに顔を背けている。
……すみません。
さてと、彼が戻ってくるまでにやるべき事やっちゃいますか！
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作者名：ふく | 作成日時：2022年10月14日 19時
