さぁ…みんなで…〝コロシアイ〟しましょう？ ―第一章― (ページ16)

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最高の"晩餐会" 水金リンページ16

「おジャマします～」

ｷﾞｨと思ったより重くて開けるのに苦労した扉を開き、自身の体を中に滑り込ませ、扉を離す。

ｶﾞｼｬﾝｯと派手に閉じた扉は、まるで『二度と外には出られないぞ』とでも言うように完全に閉じていた。

「わぁ、スゴいですね……！」

少し薄暗い部屋には、大量の武器があった。たまに空いたスペースがあるので、誰かが既に武器を取ったのと見られる。

確かゲームマスターは先に来るから、取ったのは他のゲームマスターなのだろうか。

「じゃあワタシも先を越される前に取っときますか」

取り敢えず近くにあった拳銃と、ナイフを数本、手に取る。

拳銃は使い方を知っているが、絶対ワタシが撃ったら吹き飛ばされるでしょう。あーあ、筋肉欲しいですね……

使えないと知っておきながらも、一応サロペットのポケットに入れる。初めて触れるソレはひんやりとしていた。

「これで願いを叶えて……」

ポケットに手を忍ばせ、拳銃を触るとキッと扉の方を睨みつけた。

「二度と、あちら(一般社会)には戻りません」

よくわからない宣言か何かを扉にしておきながら、もう少し武器を見ることにする。

……ああ、もしかしてクラスの女子が言っていた『ウインドウショッピング』ってこんな感覚なのでしょうか。ワクワクしますね、とっても。

…ワタシが帰ってこなくても、誰かがシンパイするでしょうか。

…あの人は、死にたがりのあのヒトだけは少しだけ悲しんでくれるかもしれません、多分。

親は…まぁ嘘ったらしい涙流して周りに同情されるネタにしそうですね、ええ。

脳裏に浮かんだ親の顔にナイフを切りつける妄想をすると、頰がこれでもかってほど緩んだ。

「最高のバンサンカイにするんです、人生で一番幸せな時に死ねばいいんじゃないですか……！」

そしてナイフをリュックサックに入れると、取り敢えずこのヤカタの中を探索することにした。