さぁ…みんなで…〝コロシアイ〟しましょう？ー第二章ー (ページ9)

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自己紹介　金鳳　牡丹ページ9

…、思った以上に早かった。
アナウンスが流れ終わったあと、すぐに30人以上が倒れていった。
まぁ、私としては、自分の手をかけずに済んだから、お陰様で助かった。といった所だろうか。

すると、流石に予想外だったのか、ここのフロアマスター的なのが出てきた。
凄い変な笑顔を浮かべていたが、私にとってはどうでもいいことだった。

「私さあ、名も知らない相手に殺されたくないのだけれど？せめて自己紹介をしようよ」

…え

自己紹介、それは私が唯一嫌いなもの
なんでかって？、そんなのは私自身だって言いたくない。
断ろうとしたら、すでに始まっていた。

まず最初に自己紹介し始めたのは
男性のような姿をした人、大和
願いは死にたいこと。別になんでもいいと思って聞き流した。

次に言い始めたのは変な耳としっぽが生えた女性、名前は稲荷。
願いは大切な人に会いたい。
…大切な人
それを聞いた時、少しいいな。と思った。
私には大切なものさえ出来たことがなかったから、だろうか。
なんだか気持ち悪い気分になった。

その次が凪、願いは入院中の人を目覚めさせたい。
まただ、仲間…なのだろうか、彼女とも言っていた。
変な気持ちになるのはもう嫌だと思った。
だから

思い切って、口を動かしてみた。

「あ、あのぉ…、わ、わわ、私、は、その…
名前は、金鳳牡丹って言って、その…あの……
願いは、あの……、友達、が、欲しい…です…」

あたりが少しシーン、となった気がする。
これが嫌なのだ。

1人ならぶつぶつと喋れるのだが
他の人、他人や知り合いなどでも、私はどうにも上手く喋れない。
これをコミュ障というらしいが、今まで気にしたことがなかった。
そう、自己紹介というもの以外は。

「も、もう、いい、さっさと次行って下さいよ…」

あー面倒だ…。
でも

これも、きっと表情には写っていないのだろう。

私はそう思いながら、またまた近くにあった鏡を見てみた。
あぁ、やっぱりか。

表情はいつも通り、真顔。
緊張感や、さっきまでの動揺しているような声を出すような顔ではなかった。

…この顔、どうにかしたい…。
少し寂しいような気持ちになった。

でも、やっぱり
顔は無表情だ。