第二ゲーム ページ3
「でっか」
そう呟き、見上げる形で船を見る。
「ク、クルーズとか聞いてないんやけど……。着替え、足りるかなあ」
心配性の俺は石橋を叩いて、叩いて、叩いて、渡る人だから、着替えも２週間分ほど用意はして
あるが、足りない気しかない。
それより、あのメール、嘘じゃなかったんだな。
スマホを取り出し、記念に船を撮る。
あとで、インスタにあげよーっと。
そのとき、後ろから「レトさん？」と俺のことを実況者名で呼ぶ声。
振り向くと、そこにいたのは、ワイシャツにかっこいいジャケットを羽織ったセピアさん。
「セピアさん！！セピアさんも旅が当たったんですか？」
俺がそう聞くと、セピアさんは手元にあったスマホの画面をこちらに見せた。
そこには俺と全く同じ内容のメールが映し出されている。
「偶然だよね〜、まさか、同じ実況者仲間が当選してたなんて」
セピアさんは船を写真に撮りながら言った。
本当、偶然だ。
世界には何十億と人がいるのに。
ー
東京に住む２６歳。有名な雑誌編集社で働いており、収入もそこそこ。
レトルトという名前で、実況者をやっており、大変人気である。
なぜか、ギャルゲームを得意とする。
ー
東京に住む２８歳。実家の飲食店を手伝っていながら、会社員として、働いている。
セピアという名前で、実況者をやっており、大変人気。
アクションゲームを得意とする。
セピアさんが写真を撮り終わったのを確認し、船の入口へと向かう。
そこには、使用人ですと言わんばかりの雰囲気を醸し出したおじいさんが立っていた。
「立花楓様と深瀬碧生様ですね？」
急に話しかけられ、思わず、ビクッとしながら後ずさる。
「はい、そうです。俺が深瀬碧生で、こっちが立花楓です」
警戒している俺の代わりにセピアさんがそう紹介してくれた。
「どうも」と呟きながら、頭を下げる。
「ええ、たしかに御二人ですね。では、どうぞ、こちらに」
その人が示す先には、真っ赤な絨毯がひかれた通路が。
セピアさんと顔を見合わせ、二人一緒に、足を踏み出した。
ー霜月ー
得意なゲームのジャンルですが、なるべく本人様と同じにするつもりですが、お話の都合によって、
変更させていただく場合があります。ご了承ください。
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作者名：霜月 | 作成日時：2017年8月22日 17時
