092 幻術ラッシュ。 ページ12
幻術のディーノの鞭は雲雀に向かって放たれた。
それを雲雀はそれを横にかわし……、気付く。
「……っ！」
違う、と。
ディーノの鞭は彼に放たれたものではない。
Dr.という男なら、きっと……弱いやつを人質にとる。
「Aっ！！」
「へっ……、あっ！！」
ディーノの鞭はAの腕に絡み付き、彼女の体を引っ張った。
グンっと引かれるAの体。
Aは慌てて雲雀へと手を伸ばし……、雲雀もまたAの手を掴み、自分の方へ引く。それから、Aの腕に絡み付くディーノの鞭を断ち切った。
その後ろから、雲雀の頭へ向けられた“彼女”の武器。
「背中が隙だらけ、ねっ！！」
グレーテルはにんまりと笑って、箒を振りかぶる。
それを制したのは、アリス。アリスはグレーテルの顔面へと霧の指輪を投げ付け、箒にナイフを突き刺すと力任せに押し投げた。
投げられたグレーテルの姿は床に落ちる前に霧となり散乱して、その粒子は再び何やら形を作り出す。
「ダメですよ、アリス。グレーテルと仲良くして下さい」
今度は、王子。
アリスは無表情のまま、王子へとナイフをかざした。
しかし。
「っ……！？」
そのナイフは青白い刀身に絡め取られ、弾かれてしまう。
「なんでっ……！」
灰かぶりの刀だ。しかし、それを握る腕は王子の腹から伸びている。
気持ちの悪いオブジェを見て、アリスは怯んだ。さすがのアリスも、顔見知りのこんな姿を見せられては動揺してしまう。
王子の腹から生えた腕は長く伸び、真っ直ぐアリスの額を狙う。
目の前から迫る刀の切っ先に、アリスは強く目を瞑った。
キィンっ……！！
響く、金属音。
来るはずの痛みの無さに、アリスはおそるおそる目を開ける。
目の前には、黒く輝くトンファーがあった。
雲雀だ。彼がアリスを襲う刀を受け止めたのだ。
「…借りは返す主義でね」
雲雀は受け止めた刀を強く弾き、もう片方のトンファーで王子の顔面を潰してやろうと動き出した。
その瞬間、ザラっと紫の粒子が宙を漂い始め、瞬きの間に王子の姿が変わっていた。
「ひどい、恭弥……アタシを殺すのっ？」
「っ！」
A。
うるっと目を潤ませたAの姿に、雲雀はトンファーを止めた。
それを見て、ニンマリと笑うA。
彼女は自分の手に紫の粒子を集め、一本のナイフを造り出した。
ラッキーアイテム
革ベルト
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レナ(プロフ) - なるほど。ありがとうございます (2015年9月22日 12時) (
レス) id: a3dc584c6d (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - レナさん» そうですね。番外編は本編とは別なので、なんとなく察してもらえたらいいです (2015年9月22日 11時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - もう君だけの体じゃないんだからって恭弥が入っていたので、この事件？は終わってたのかなぁと (2015年9月22日 11時) (レス) id: a3dc584c6d (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - レナさん» あぁ、そうですか。 終わっていたとはなんですか？ (2015年9月22日 10時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 冗談ですよ汗 そう言えば、未来に行った時にはすでにこれは終わっていたのですか？ (2015年9月22日 10時) (レス) id: a3dc584c6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅うさぎ
| 作成日時：2015年3月31日 13時
