畑の隅の霊力談義 ページ35
「正確に言うと、審神者は侵入者が本丸内に紛れ込んでいることに気づいただけだ。
侵入者の正体は分かっていない」
そうなのか。少しだけ安堵した。
「鳴狐、その話をするのであれば、先に……」
「霊力のことだよね。分かってる」
「その話は私がいたしましょう」
お供はこほん、と咳払いをして、話し出した。
「前提として頭に入れて頂きたいのは、ひとつの刀剣男士の体には、一種類の霊力しか存在出来ない、ということにございます。
つまり今、Aどのの霊力が体内に入った、不動どの、乱どの、太鼓鐘どのの御三方の体内は、審神者の霊力がないのです」
「審神者の霊力はどこに行ったの？」
「喰われました」
「え？」
「霊力は、二つ以上同時に存在出来ない以上、量に関係なく、質の良い方の霊力に悪い方の霊力が喰われるのです」
「それを踏まえて聞いてほしいんだけど」
話し手が鳴狐に交代した。
「今日、審神者が乱に言霊を使おうとしたんだ。でも、効かなかった。
審神者は妙なところだけ勘が鋭い。すぐ原因に気づいたみたいだ」
なるほど。審神者が気づいたって言うのは、そういうことだったのか。
「でも、これ、告発のとき……」
私が言いかけると、鳴狐は首肯した。
「言霊を封じる、有効な手段になる」
全く先の分からないところから、少しだけ前進したような気もした。
その代わり、侵入者の存在が審神者にバレてしまったけど。
「それと、Aの霊力についても、ひとつ」
私の霊力のこと……？
確かに、昨日、私が人間的な霊力持ちである話はしたし、比較的傷の深い太鼓鐘で実演もした。
もしかして、霊力についてもう少し分かっていたのに、私に秘匿していたのか？
「まず、Aの霊力は、かなり限定的な量しかない」
鳴狐の言葉に、予想が的中したことを知った。
「刀は、霊力の変化について敏感だ。これは知ってるよね？」
少し考えて、頷く。
知ってる、と言っても、前世の二次創作によくそういう設定が出てきただけだが……。
ここの審神者の霊力が濁っていることは、流石に分かるから。
「それはもちろん、Aの霊力についても例外じゃない。
そして、昨日、太鼓鐘を治療したとき、Aの霊力が減ったのを感じた」
「でも、霊力って使えば減るものじゃないの？」
「そうなんだけど、審神者の場合、生命維持活動の一環で、量や速さは個人差があれど、霊力は常に生産され続ける。
でも、Aには、それが感じられない」
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ツキアカリ - キリンの妖精、キリンロングさん» ありがとうございますm(_ _)m語彙力おばあちゃんにならないように頑張ります(？) (2019年5月18日 23時) (
レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 世代交代(？)頑張って下さい←語彙力の枯渇 (2019年5月18日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - ふはいねこさん» 応援ありがとうございます！期待に添えられるように頑張りますね(。・ω・。)ゞ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - 前作者さん» 読みました、自分の文章力でどこまでできるか分かりませんが、この作品をもっとよく出来るように頑張ります！ (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ふはいねこ - ツキアカリさん» はじめまして。作者交代お疲れ様です(？) 二代目になっても応援してますね。頑張ってください。 (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5701e6bc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年12月25日 22時
