「待ってたよ」 ページ32
[夕餉を楽し
みに待っていろ
つうみをみし ろゆつげにゆにげ
いをいのまた(ひるま) みたみのつをろげいゆ にゆみし
てゆにげつをいゆにげろげ
ろをつげいゆいゆつし つゆつしろうにゆ
にゆつをまうみゆ ろげろゆろゆつげまをつをみたみの
ろうつしいげまゆろをみう にゆにう]
そう書いてあった。
大体、言いたいことは分かった。
私の読み取り方が合っていれば、事態としては最悪だ。
暗号に示された内容は、こう。
[審神者が気づいた。昼間は部屋の中にいろ。
織田の刀は、二日間、遠征に行く。
亥の刻、鳴狐の部屋へ、戦闘服で行け]
織田軍の忍びが使っていた暗号。
長谷部は、私が蝮の記憶を知りつつあるのを察知していたのか。
鳴狐の部屋……?そこに何かあると言うのだろうか。
幸い、織田部屋の時計は十二時辰だ。亥の刻は分かる。
だが、鳴狐の部屋の場所は書いていない。
まあ、粟田口短刀の部屋は割合近所だった。鳴狐もきっとそうだろう。
とにかく、鳴狐の部屋を探そうにも、今は部屋から出られない。
亥の刻になる、夜を待とう。
何も出来ず呆けていると、寝落ちしてしまっていたことに気づいた。
戌の刻が終わりかけていることを、時計が指し示していた。
慌てて箪笥を漁り、戦闘服を探した。
見つけるのに少し時間がかかり、私を尚焦らせた。
着替え終わると同時に、音に気をつけて部屋を出る。
薬研の気配はない。
大丈夫。ここは太刀や大太刀はいない、短刀と脇差ばかりの場所だし、審神者にはバレない。
そう言い聞かせて、鳴狐の部屋を探した。
鳴狐の部屋は、すぐに見つけられた。
部屋を見つけた瞬間、私は長谷部がここを選んだ訳を察した。
ここは、畑と馬小屋のすぐ側。
審神者の部屋から、最も遠い所。
部屋に掛かっている名札をもう一度確認し、さて、ノックをしたのか方が良いのか悩んでいると、内側から障子が開いた。
私の気配を察知したのだろう。
「鳴狐……」
私が喋ろうとすると、彼はそっと口に人差し指を立てた。
「よく来たね。待ってたよ」
聞き取りにくい、低音の小声が微かに聞こえた。
「ついてきて」
私は彼にいざなわれるまま、畑へ歩いていった。
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ツキアカリ - キリンの妖精、キリンロングさん» ありがとうございますm(_ _)m語彙力おばあちゃんにならないように頑張ります(?) (2019年5月18日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 世代交代(?)頑張って下さい←語彙力の枯渇 (2019年5月18日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - ふはいねこさん» 応援ありがとうございます!期待に添えられるように頑張りますね(。・ω・。)ゞ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - 前作者さん» 読みました、自分の文章力でどこまでできるか分かりませんが、この作品をもっとよく出来るように頑張ります! (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ふはいねこ - ツキアカリさん» はじめまして。作者交代お疲れ様です(?) 二代目になっても応援してますね。頑張ってください。 (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5701e6bc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2018年12月25日 22時