食べないでください１５ ページ17
あれからまた数分してやっとお風呂から出た私は冷凍庫からアイスを取り出して齧りながらフロイド先輩を探す。
191cmの巨体を見つけるのは簡単で、先輩は私のベッドで布団もかけないでぐっすりと眠りこけているようだ。
『この人…私のベッドなのに…』
しかめっ面であろう私を知る由もなくすーすーと規則的な寝息をたてる先輩にため息をつく。先輩は靴もベストも着たままで寝ている。仕方ないなと慈悲の精神でベストを脱がしてついでに靴もぬがせる。はぁ…こんなに優しい後輩いないぞ…
なんて思いながら毛布を肩までかけ自分は勉強机に座りトレイン先生の授業で提出する課題を仕上げるためにノートと教科書を開く。幸いにもあと数ページで終わるのでさっさとやってしまおう。今現在の時間は深夜の1時ちょっと過ぎ
『2時過ぎには終わるかな…でも今回の課題結構力入れてるからもうちょっと詰めて完成度上げたいなぁ…』
とブツブツ言いながら課題を仕上げていく。静かな部屋なので私の文字を書く音と先輩の寝息がよく聞こえる。
数十分後、段々と集中力が切れてきて眠気が優位になってきた。元より睡眠時間が短い方だが度重なる後ろで寝ている先輩の来訪でここ最近眠れていなかったせいか段々思考が鈍っていく。
『気分転換にコーヒーでも入れるか…』
ふぅと息をつくとその場で魔法でマグカップを取り出し買い置きしていたドリップコーヒーを取り出しお湯を魔法で生み出し丁寧に淹れる。すると匂いにつられてフロイド先輩が動く音が聞こえる
それを気にせずコーヒーを淹れ続ける。のそのそと動いているようで完全に寝ぼけているのであろう。そのまま大人しくしていてほしい。
『おっ、今日はいい感じにできた』
マグカップから立ち込める芳しい香りに上機嫌になる。一口含むと先ほどまでの眠気が綺麗さっぱりに、とはいかないが多少は和らぐ。窓から外を見ながら物思いに耽っていると後ろからフロイド先輩が覆いかぶさるように抱き着いてくる。
『…なんすか？』
フ「…眩しい…小魚ちゃん早く寝ようよ…」
ウトウトと舟を漕いでいるフロイド先輩にふふっと笑ってしまい先輩に何笑ってんのぉ？と怒られてしまう。しかしいつもの傍若無人な先輩ではなく年相応の反応が可愛らしく感じたことは口が裂けても言えないだろう。これが母性というものなのだろうか…
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ウバザメ - 最初から楽しいが連続してる・・・！最高です。楽しい！更新楽しみにしています！ (2022年3月31日 22時) (
レス) id: 8fc76d1beb (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 夢主ちゃんが可愛かった……！ 更新楽しみにしています。 (2021年9月20日 19時) (レス) id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのもっけ - とても面白かったです！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年11月14日 1時) (レス) id: 73b959674c (このIDを非表示/違反報告)
栖 - 初めまして。貴方様は文才の神ですか？最高すぎます......。夢主ちゃん可愛すぎません？母性がぁ....ってなってます(?)これからも更新頑張ってください！ (2020年10月25日 3時) (レス) id: 8d0d2487b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怱 | 作成日時：2020年8月26日 1時
