３ マスク ページ5
最近、幼なじみのAに彼氏が出来たんだ。ついにアイツもリア充の仲間入りか〜。オレさ、本当はそういうの大っ嫌いなんだけど。アイツだけは、別にリア充でもいいかな、って思うんだよね。
Aとは家が隣同士で、幼稚園に通っていた頃からよく遊んでた。でも小学校に入ってからだんだんいじめられるようになっちゃってさ。
悲しかった。苦しかった。
親とかAに心配をかけたくなくて、嫌がらせをされてることは言わなかった。でも、Aは気づいていたんだろうな。
｢マスクくん、負けちゃダメだよ！｣
そう言ってオレを励ましてくれた。
大人になった今でもAとはよく会ってる。今日はオレの家でゲームをする日だ。タコマスクを外して机に置く。
ピンポーン♪
｢久しぶりー！｣
｢お、来た｣
｢ねえ、このゲームどこまで進んだ？｣
｢ん？あー、それ？クリアしたよ｣
Aはまだなのかな。
｢えーっ！発売されたの先週じゃん！｣
｢でも簡単だったし｣
そういえば冷蔵庫にアイスがあったはず。
｢難しいって！私まだここだもん｣
あった。あ、でも一つしかないや。食べたかったけど仕方ないか〜。Aにあげよう。
｢これ、食べる？｣
｢え、マスクくんはいらないの？｣
もう食べ始めてるじゃん。
｢オレは別にいいよ〜｣
｢よくないよ！じゃあ、半分こしよ｣
Aがアイスをオレの口元に近づけた。
ぱくっ
…………自分のしたことを理解できず固まる。
｢あ｣
食べて、しまった。
目の前にアイスがあったから、つい。
Aの食べたアイスを。
これって、
｢かっ、かか、間接キス……だよね？｣
Aの顔が真っ赤になった。
｢冗談だったのに。ホントに、食べたんだ｣
｢ご、ゴメン！あの、えーと、わざとじゃない……わけじゃないけど、でも｣
ぱくっ
｢え？｣
Aがほほえんだ。
｢これで、おあいこだね｣
なんでオレがいじめられてるって分かったの？
最近のマスクくんはずっと暗い顔をしてるから。だから、何かあったのかなーって思って。
なんで……なんで、オレなんかのことをそんなに気にしてくれるの？
だって、大切な友達だから。
忘れない。忘れるわけがない。
この会話は何よりも大切な宝物。
オレはAと二人で会うときにだけタコマスクを外す。
本当のオレを見てほしいんだ。
マスクに隠されてないオレを。
これは、恋？
それともただの友情？
分からない。
ねえ、教えてよ。
A。
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上帆麻夏 - やっと完結できました！評価、コメントして下さった方々、本当にありがとうございました！ (2019年5月19日 17時) (
レス) id: ee9df02df6 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - アロハ君、カッコいい〜(ﾉ≧▽≦)ﾉ (2019年5月9日 19時) (レス) id: 84e539f36e (このIDを非表示/違反報告)
んま - あああ！最高です…最高… (2019年5月9日 18時) (レス) id: 10cc1d3355 (このIDを非表示/違反報告)
上帆麻夏 - ありがとうございます！すごく嬉しいです！これからも頑張りますね！ (2019年5月9日 8時) (レス) id: ee9df02df6 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 続き、楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年5月8日 17時) (レス) id: 84e539f36e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯乃 | 作成日時：2019年5月5日 10時
