２ アロハ ページ4
Aちゃん。
今オレがどんな気持ちか分かる？
もうキミのことを好きでいられない。好きでいちゃいけない。
悲しくて、寂しい。
でも、嬉しいんだ。
Aちゃん。
キミが幸せならそれでいい。
それだけで、いいんだ。
覚えてるかな、この前のコト。
あの日、オレはブキのメンテナンスをしに行ってたんだ。
｢.52ガロンでしね！うーん、ちょっと時間がかかりそうでし。どうするでしか？｣
｢じゃあ、このブキを試してるから終わったら呼んでほしいな♪｣
｢了解でし！｣
試し打ち場には意外な先客がいた。
｢あー、もう！なんで出来ないんだろ｣
Aちゃんが.52ガロンを抱えて立っていたのだ。
もう一回、と呟くと、彼女は音楽を口ずさみながら軽やかにダンスを始めた。あの動き、
｢『ミラーボールダンス』だ……｣
｢ひゃっ！あ、アロハさん！？｣
｢ねえ、今、何してたの？｣
彼女の顔が真っ赤になった。
｢実は、どうしても『ミラーボールダンス』をやってみたくて……あの動きに、憧れてたんです。でも、全然アロハさんみたいに出来なくて｣
｢貸して｣
強引にブキをもぎ取り『ミラーボールダンス』を始める。
｢やっぱりすごい……！｣
｢コツはね、楽しむコトだよ♪｣
｢た、楽しむ？｣
うん、と頷いてからダンスを止めてAちゃんにブキを返した。
｢出来るようになろう、ってそればっかり考えてたんじゃない？｣
｢……はい｣
｢そうじゃなくて、もっと単純にダンスを楽しまないと。ゴーグルがよく言ってるコトだよね？ブルーチームのマネージャーさん｣
その後も一生懸命練習して、Aちゃんは完全にオレと同じ動きが出来るようになった。
｢今日は本当にありがとうございました！｣
｢.52ガロン、買ってあげようか？｣
｢えっ？｣
｢オレ、これでも一応Ｓ４なんだよ？おカネなんて有り余ってるから｣
｢で、でも、そんな｣
無理やりAちゃんの腕を掴んで、オレの方に引き寄せギュっと抱きしめた。
｢！？アロハさっ……｣
｢いいから｣
しばらくの間そうしていた。離したくない。でも、離さないといけない。分かってる。
｢…………ゴメンね、急にこんなコトして｣
｢あ……えと、その……｣
｢アロハさーん！終わったでしー！｣
オレは急いでブキの代金を財布から出してAちゃんの手に握らせる。
｢じゃあね｣
分かってる。
彼女は決してオレのモノにはならない。
そんなの分かってるよ。
分かってるんだ…………
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上帆麻夏 - やっと完結できました！評価、コメントして下さった方々、本当にありがとうございました！ (2019年5月19日 17時) (
レス) id: ee9df02df6 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - アロハ君、カッコいい〜(ﾉ≧▽≦)ﾉ (2019年5月9日 19時) (レス) id: 84e539f36e (このIDを非表示/違反報告)
んま - あああ！最高です…最高… (2019年5月9日 18時) (レス) id: 10cc1d3355 (このIDを非表示/違反報告)
上帆麻夏 - ありがとうございます！すごく嬉しいです！これからも頑張りますね！ (2019年5月9日 8時) (レス) id: ee9df02df6 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 続き、楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年5月8日 17時) (レス) id: 84e539f36e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯乃 | 作成日時：2019年5月5日 10時
