世界寿命デストロイ (ページ4)

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３．種は芽を出したページ4

世界が終わるとか言われた日までの時間は、刻一刻と過ぎていく。

気にしている人もいれば、気にしていない人も。
私は当然後者。

しかし、先輩は本当に信じているのだろうか。
その疑問を解消するために動く私ではない。でも、気になるのは確か。

「あのアン先輩とやらは、実際に信じているのかね」

思わず呟く。

それは種だった。

種は水をかけられれば、じきに芽を出す。そして葉は育ち、根も育ち、茎も育つ。

その水は、次の八神の一言。

「僕達が予想しても結局本人の答えはわからないし、直接聞きに行く?」

それは、好都合。
そう思っても、そこまで行動力のない私は迷った。

はたして聞きに行く意味はあるのか。

答えは、わからない、だ。

聞きに行く意味は、聞いたあとの答えがどれほど価値があるものかで決まるのではないだろうか。
だったら聞きに行かなきゃわからない。

疑問は全て未知。知っていたら疑問なんて浮かばない。

「……そう、だね」
「珍しいな」
「うるさい」

天月は私がどういう人かちゃんとわかっていたようだ。
どうせ断ると思っていたんだろう。

興味はある。けど、知らなきゃいけないわけじゃない。

ただし、聞きに行かない理由もない。

というわけで行くことになった。

それは当日の昼休み。先輩と後輩の仲は悪いわけではなく、むしろ良好だが、
物の貸し借りをキツく言われているこの学校では、他の学年との交流が少ない部分もある。

授業の持ち物は貸してはいけないということになっているらしい。

休み時間に限り、の話。
部活ではどうも和気藹々とやっているそうだ。

私は帰宅部な為、集合などするはずもない帰宅部の先輩を知っているわけもなく。

「アン先輩」

あの真面目な八神があだ名で呼んでいるのは、いささか違和感があるように思える。
まふもあだ名だけどね。

奥で友人と話したりでもしていたのだろうか。
周りの男子生徒と笑っていた赤い髪の生徒がこちらを振り返る。

「どうしたの?」

ニコニコとした表情から、大らかそうな人、というのが第一印象だった。

「僕の同級生が、というよりは、僕達が先輩にお伺いしたいことがありまして」
「聞きたいこと?」

八神の丁寧な敬語には慣れているのか、すぐ反応してくる先輩。
どこか、神妙な顔つきになっていた。

「先輩はあのニュースのことを、どう受け止めていらっしゃるんですか?」