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トールが自分側の毛布を外し、毛布全部をAの体に掛けてやって読書タイムは終了する。こうして、コーヒーを飲んでAが眠りにつくまでが、2人のいつものルーティーンなのだった。
ーーーー
「A……眠った？」
「……」
機内がしんと静まり返る頃、いつもの確認。声をかけて身を捩ればまだ不十分だ。そうでなければ、本に栞をして閉じ、老眼鏡を外し、せっかく掛けてやった毛布をゆっくりと剥がす。誕生日プレゼントの包装を開ける子供のように指先が急くのを、なんとか押し留めながら。
「……すまない」
安牌のトール？笑わせる。と、トールは剥がした毛布を丁寧に畳んで横に置きながら、心の中で自嘲する。本当はそうではない。一度眠ったら天地が裂けても起きないAは何も知らないのだ。ルーティーンの先にある、トールだけの秘密のルーティーンを。ーーAが眠った後決まって、起きないようにそっと彼女の体を抱き寄せ、おずおずと唇を合わせているのを。
彼女の眠りが深ければ深いほど、その行為は大胆になる。唇ではない場所にキスしたり、服越しに体の輪郭を確かめたり、時折、ほんの少しだけ直にそのしなやかな素肌を指先で堪能したり。
そして彼女の今夜の眠りは、とても深かった。
「……ん、……んん」
こうやって耳の後ろにキスすると眠っていても反応するくらい弱い事や、臍の横にケロイド痕と僅かに縫合した痕がある事は、きっとトールしか知らない。その特別感が強烈にトールの独占欲を満たして、同時にもっと知りたいと背徳的な飢えを植え付けるのが、まるで麻薬のように癖になってしまっていた。
卑怯で浅ましいとは思いつつも、ずっとやめられないでいる。
「……ふ、っ、……う、ん」
「……っ、」
悩ましくひそめられた眉と、鼻にぬける甘い声にあてられて、Aの体に這わせる指を今日はなかなか切り上げられない。うなじに痕を付けたい衝動と必死に戦う。
今回は特にハードな任務だったのだ。疲労と性的欲求は比例関係にある。自分の最愛の相手を腕に抱いているならば、尚更そうだ。
「A……」
このままいっそ、唇を割って口内を蹂躙して、服も下着も取り去って余す事なく肌を暴いて、彼女の甘い声が枯れるほど身体を重ねられたら。燻ってこじれた劣情が、今にも暴れ出しそうになる。欲しくて欲しくて仕方ない。
ーーああ、でも。
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ムスメ3(プロフ) - トール優しすぎるってばよ (2月18日 21時) (
レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - ムスメ3さん» あたたかいコメントありがとうございます！いつもとても励みになっています。また是非遊びに来て下さい(^^) (2月14日 17時) (レス) id: b1708db406 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - お返事ありがとうございます！あなたの作品が見れるなら幾らだって待てますとも!! (2月14日 1時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - ムスメ3さん» こんばんは、ムスメ3さん。いつもありがとうございます！他にバレンタイン話は書いていなくて……遅筆なもので申し訳ないです。お待たせするとは思いますが、ガンナーにもまだ沼っているのでお話を増やす予定です。是非楽しみにお待ち下さいませ！ (2月14日 0時) (レス) id: b1708db406 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - あ〜まじ最高 、ガンナーのバレンタイン話とかってありますかね？|ω･` ) (2月13日 19時) (レス) @page4 id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るう | 作成日時：2024年2月12日 23時
