拘束 ページ7
夢主様視点ですが、夢主様が酷い仕打ちに遭います。
また若干歪んだ恋愛であり、大人の香りが致しますので
苦手な方はバックをお願いいたします。
※
躰に滲み込む縄の感触に思わず息が上がる。
あれはいつのことだっただろう。
ふいに流華の意識は過去に彷徨う。
中也と付き合い始めてから2年目の夏のことだった。
それは間違いなく覚えている。同じ組織で生き。憧れ、恋をし、お互いに溺れた。
それにも拘わらず、時は残酷で。互いの仕事が増えるごとにすれ違いも正比例。
互いの肌を求めあう営みですら、どこかマンネリな空気を隠せなくなっていた。
そんな最中のことだった。真夏のあの日。
正しく死ぬと思った、あの暑い空気は、忘れようもない。
潰すはずだった組織に捉えられ、罪人よろしく縄を打たれて梁から吊るされた。動けもしない蓑虫みたいな私は、殴られ、蹴られ、鞭も受けた。
ただ、ポートマフィアの情報を得る為に、私への暴力は苛烈を極めた。それでも、私も構成員の端くれだ。容易く吐く訳もない。そんな強情に業を煮やした男たちは、私に辱めを与えようとした。
それだけは、厭だった。
すれ違い、別れの足音がしても…私は中也を愛している。裏切りたくない。なにより、ここで穢れたことを理由に別れの話はしたくない。
そんなことになるくらいなら、この舌�筋み千切って死んでやる。
そう覚悟した時。彼は、中也は来てくれた。
そうして己が築いた敵の死骸の山には目もくれず、宙ぶらりんに、ゆあーんゆよーんと揺れる私に言ったのだ。
「良い恰好じゃねェか、流華」
その目は、獰猛な獣の其れ。獲物を狩った興奮と、強者の余裕。それに…欲を一滴。
潤んだようなその瞳で、舐めるように傷だらけの私を嘗め回す。
その余りに強い蒼に感染したように、容易く私にも火が付いた。
吊られたまま、降ろしてももらえず首元に噛みつかれた瞬間不覚にも、私はその甘美な獣に陥落したのである。
そして、今。
「愛してるぜ、流華」
耳元で囁きながら、中也は私に巻き付いた縄を強く引く。窒息しそうな圧迫感は、そのまま悦楽にすり替えられた。それはあの日から続く、二人しか知らない遊戯。甘美で危険な、二人だけの秘密。
もうすれ違いも寂しさも二人にはない。
互いだけが知る秘密が甘く二人を縛り付けていた。
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時