スカーフ ページ5
夢主様視点になります。多少の事後感を含みますので苦手な方はご注意ください。
※
「流華、寂しかったぜ」
玄関を這入ってすぐ、甘えるように抱きついてくる彼に気を許したのが悪かった。
啄むような口付けは、直に互いの口内をまさぐりあい、呼吸すらできないモノに変わる。
…後はシーツの海に身悶える獣が二匹。
予定とは違い、≪激しい≫余暇となったが、とても幸せだった。だが…朝起きた時流華の首筋には紅い華が咲いていた。
『なんとかしないと』
悪あがきに髪をおろし、立襟の
流華が一人で慌てていると、ひょい、と中也が顔を出した。
「なァにやってんだァ、流華」
そう言ってニヤニヤする彼の手がひらひら振っているのは…
『私のスカーフ!』
薄桃色のそれは紛れもない探し物。奪い返すべく、手を伸ばしたら呆気なく腕を掴まれ彼の胸の中に拘束された。
「なァ流華。こんな洒落たモン、誰に貰った?」
耳孔に直接吹き込まれる尋問。低く、ねっとりと流し込まれる、蜜毒。
彼の顔を見て『遅刻するからやめて』と、訴えようと顔を上げた瞬間。
昨日付けられた首筋の痕を、ねろり、と舐められた。
「せっかく、こんな綺麗に刻んでやったのに…隠そうなんざ、気に入らねェ」
紅潮した顔で。熱に浮かされたような瞳で。拗ねた子供みたいな台詞。
『中也、だって、仕事だから…』
「だからって、他の野郎からの贈り物で隠すのか?」
『違う!樋口さんから貰ったの!!』
このまま流されたら本当に遅刻する!意を決して叫ぶと、先刻までどこか危険な匂いをさせていた中也の瞳が丸くなり、ぱちくり、と二度三度瞬きをした。
「男からの貰い物じゃねェのか?」
『違う!』
拘束が弱まった隙を見てスカーフを奪還。そんな私の横で中也は耳まで真っ赤にして蹲っている。
『ねぇ』
「なンだ!!?」
『中也、もしかして…妬いてくれた?』
「うっせェ!!」
どうやら図星みたいで、なんだか嬉しくて笑えてきた。そしたら間髪入れず「笑うな!」って怒られたけど。それすらなんだか幸せで。
『ね、中也』
「ん?」
先刻のお返し。彼の耳元に唇を寄せて。
『今日、絶対仕事早く終わらせるから…中也、帰りに、うちに来て』
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時