暑いあついアツイ ページ26
『暑いいいいいい―――――』
「ったく色気のねェ声出すんじゃねェよ、莫迦」
『莫迦って云った方が莫迦なんです―』
「はぁ!?餓鬼か!?…って止めだ。暑い」
『賛成』
こんな阿呆みたいな遣り合いをしているのは、残念ながらいい歳の大人二名。
しかも、仮にも恋仲の男女である。
本日、熱波だかなんだかの影響で記録的猛暑。
冷房を利かせた室内にいても、窓の外で牙を剥く太陽やら、やたら必死な蝉の大合唱で視覚聴覚が熱に浸食される。
流石の中也も上着を着る気にもならず。
袖なしの襯衣(シャツ)に、緩い洋袴(パンツ)を合わせ、いつもなら左に寄せる髪を紐で高く結った。気分だけでも幾分かマシだ。
それでまぁ、一人今日は何もせずに休日を無為に過ごす予定だったわけだが…
『中也!!!いるのは分かってるんだぞ!開けろ!!塩かけるぞナメクジ!!』
午前十時、マンションの廊下に響き渡った声のおかげでそれは脆く崩れた。
「何しに来たんだよ、この迷惑女!!」
思わず玄関を開けた瞬間。
『ただいま!』
と笑顔で上がり込んできた流華。
「いや、ここお前の家じゃないから」と突っ込むタイミングを逸したのは本当に悪かった。
そして、冒頭の会話である。
『ねぇ、中也。氷菓(アイス)無いの?』
「ねェよ。冷たい茶ァ出してやったんだから感謝しろ」
『え―』
「不満なら手前ェで買いに行け」
『行ってくれなきゃ塩撒くぞ!!!』
「やっても良いが掃除しろよ?」
お互い相思相愛のはずなのに、逢えば毎回この調子だ。
まあ良く言えば、飾らない関係。悪く言えば小学生の兄妹。
『中也―』
「今度はなンだ?」
『暑い』
「…うるせェ」
流華は自分の背を中也に預けて笑う。
甘えたいなら云えよ、と文句を投げる中也。彼の耳が赤いとからかう彼女。
「あンま調子乗ってると、もっと熱くしてやるぞ?」
ぐるん、と視界が一回転。
『汗かいたら、涼しくなるかな?』
「さァな」
訂正。どうもこの二人はとことんまで甘い恋人関係で間違いないようです。
※お知らせ※→←さよなら、愛してる【リア友ネタ提供:不治の病に侵された夢主に愛を誓う中也】
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年6月14日 21時