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朝陽 ページ3

情事後を匂わす表現がございます。
苦手な方はバックをお願いいたします。



眩しい。
朝日で目を覚まして流華は若干慌てる。

見覚えの無い天井。明らかに自分のモノでない部屋。そして…服を着ていない。

パニックになりかけた頭に、よりによって一番恥ずかしい映像がフラッシュバック。

そうだ。
自分は昨日、人生で初めて恋人の部屋に泊まったのだ。

逢引(デート)の帰り道。彼は、流華の唇を奪った。もう何度も何度も繰り返した行為。
けれど、その時の彼の瞳は、いつもと…違った。

「流華、なぁ…ダメか?」
『何?』
「…俺の部屋…泊まってけよ」

やけに余裕の無い声で彼は、中也は流華の耳元で繰り返し、その都度口づけをくれた。
そのあまりの情熱と、どこか苦しそうな眼に負けた。

そして…

『…!!!!!!!!!』

昨夜を思い出して流華は悶える。
なんだ、この変な生物。朝の幻覚?なんて問わないでください。流華です。

一通りそんなことを繰り返して、ふいに彼女は気づく。

――枕が、脈打ってる?

慌てて横を向くと、自分に腕枕をしたままの中也が声も立てずにニヤニヤ笑っていた。

「おはよう、流華。何してンだ?」
『なんでもない!』

思わず頭から布団を被って彼から逃げる。
なんであんな余裕なの、あの人!!?

「逃げんな」

布団ごと捕まって思わず暴れる流華を意にも介さず中也は抱きしめる。

「ったく。
流華、俺は昨日の夜、手前ェといられて嬉しかったンだが…手前ェは違うのか?」

一寸ばかり拗ねた声音に、流華はそろり、と顔を出す。途端に彼に唇を奪われた。

「嫌なら、突飛ばせ」
『嫌、なんかじゃない…』
「なら…良かったか?」

一気にご機嫌の回復した彼は、またニヤリと笑う。
そんな姿に『莫迦』とだけ言って、彼には効きもしない拳を一つお見舞いした。

「流華、愛してる」

抱きしめられたおかげで触れた、彼の色素の薄い茶の髪が頬をくすぐる。

『私も…』

今、どうしようもなく幸せな一日が幕を開けた。

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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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ひよこリュナ(プロフ) - ちょこさん» hohohoほんとですか!!!ありがとうございます!!Bダッシュで見に行きます!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ひよこリュナさん» リクエストありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!!先刻続編にアップさせて頂きましたのでご確認よろしくお願いいたします!! (2016年7月17日 10時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - 叶わないの続きを見てみたいです!!ハッピー方面で!! (2016年7月16日 23時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - アリスさん» リクエストありがとうございます!先刻アップさせていただきましたのでご確認ください !! ( (2016年7月11日 21時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 麗さん» 御覧頂きありがとうございます!これからも書かせて頂きますので、またのリクエストお待ちしております! (2016年7月11日 17時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/  
作成日時:2016年6月14日 21時

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