13 ページ13
.
振り返る。
誰もいない。
…気のせいかな。なんて思ってもう一度歩き進めると、もう一度再開する足音。
いやもう絶対気のせいとかじゃないじゃん！？
と思って振り返っても誰もいないし無理すぎる。怖い。
怖すぎて思わず歩くスピードを速める。
絶対ストーカーだ……。
…コンビニもないし、どうしよう……家に帰るしか対処法はないし。
走っても走ってもついてくる足音は、嫌になるくらいアスファルトに響いている。
「…たなか、」
怖くて怖すぎて、誰かに連絡しないと、って思った時浮かんだ顔はやはり田中。
こんな時ばかりは、ばかにされるとわかっていても連絡するしかない。
無機質な電話の音がなる。
そこに、急いでいるような田中の声が聞こえた。
樹『おま、今どこ…っ』
田中の声に少しホッとする。
急いで要件を伝えた。
「田中…！いま、つけられてて……たすけ、」
樹『すぐ行くから、止まんなよ！！』
プツッと切れる音が聞こえて、わたしは焦る気持ちが強くなってしまう。
すぐ行くって言っても、駅一駅ぐらい違うんじゃないの！！！
もう私、連れ去られたり殺されちゃうのかな。
命乞いはしないでおこう、と謎の決意をした時、恐怖心が煽られた。
足音が、さっきより近づいているように聞こえるのだ。
こわい、こわい。
田中、早く助けて…！！
目を瞑りながら早歩きしていたその時、肩をポンっと叩かれた。
「ひっ……！！」
思わず反射的に肩を揺らして振り返る。
そこにいたのは、ピンク髪。
「た、なか…」
樹「お前の家必死に思い出したんだからなあ…！」
田中が髪をかきあげながらそう言う。
「…怖かった…ありがとう田中…！！」
思わず飛びつくと、田中はホッとしたようにため息をついていた。
その鼓動は思った以上に早くて、やっぱり走り回ってくれたんだなと思った。
樹「…同じ駅で降りてたから良かったけど。つかお前喜んでたのに忘れるってどう言うこと？」
同じ駅で降りてたんだ…と思って、田中から離れると。
「あ！」
田中が持っているのは、私がもらったばかりのピアス。
いやーなんか無いと思ってたんだよねえ。
樹「もう忘れんなよ」
田中に手渡されて、私は苦笑した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 926人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きょーもとのこうもり - お久しぶりです！！めっちゃ遅いけどあけおめ！！(言ってなかったよね?) もうすぐ冬終わっちゃうよ！！忙しいかもだけど更新頑張って！！ (2020年2月2日 6時) (
レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - つくもさん» いつのまに樹担なったん！ (2020年1月6日 16時) (レス) id: 29c2150e0f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - ぽむりんこむさん» ごめんね！私！(あら？私樹担だわ！？) (2020年1月6日 14時) (レス) id: 719958ae53 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - きょーもとのこうもりさん» この作品が完結したら！って感じで！ (2019年12月21日 17時) (レス) id: 77570be88d (このIDを非表示/違反報告)
きょーもとのこうもり - ぽむりんこむさん» 本当に！？めっちゃ楽しみ！！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむりんこむ | 作成日時：2019年10月13日 16時
