・ Umikun side Nakamura ページ13
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中村side
帰りの飛行機で窓際を確保して座ってると
、他に席がなかったらしい瀬戸ちゃんが
申し訳なさそうに隣に座った。
「すみません、隣失礼します」
中「ん、全然いーよ」
「二日酔いどうです?」
中「まだ気持ち悪い。瀬戸ちゃんのせいだから」
「ええ……いやあお酒の席は無礼講じゃないですか」
中「おれと元太を煽ったのは瀬戸ちゃんでしょ。
ちゃんと看病してよね」
「暴君だ……とりあえずお水いっぱい飲んでください」
はい、と冷えた水が渡されて、手にはもう2本のボトル。
通路を挟んで隣の元太にもあげて、
もう1本は自分のホルダーに置いてた。
おれと元太にだけ買っておいてくれたんだ。
中「ありがと」
「いえいえ!お二人がお酒弱いって知ってれば
煽るようなことしなかったんですけどね〜」
中「は、うっざ。別に弱くないし。
せとちゃんがばかみたいにザルなだけでしょ」
気持ち悪さと寝不足でつい口が悪くなる。
でも瀬戸ちゃんは笑って水を一口飲んだ。
「日本酒だといくらでも飲めるんですよ。
焼酎とかウイスキーは弱いんです」
中「次それだけしか飲ませないわ」
「あはは、やめてくださいよ〜」
ヘラヘラ笑う瀬戸ちゃんに、おれもつられて笑っちゃう。
一見真面目そうに、クールそうに見える瀬戸ちゃんは
素はけっこうのんびりした性格だから、
仕事外で喋るのはけっこうすき。
仕事中はテキパキしてるからそれはそれで頼りになるんだけど。
吉「A、俺家の鍵預けてたよね?」
「あ、持ってますよ。はい、落とさないようにね」
吉「ん、ありがとA」
「あれ、そのTシャツ可愛い!どこの?」
吉「これ?ユニクロ。ちゃかと買ったやつ」
「へえ!そんな可愛いのあるんだ!」
むむ。
昨日の打ち上げから二人の間に敬語とちゃん付けが
無くなったのはわかってたけど、今日になっても続いてるのか。
中「A」
「わ、どうしました?」
中「なんで閑也だけタメ口なの」
「え、なんか…流れ?話しやすいですし…
あ、でも仕事の話をするときは弁えますので!」
中「いいんじゃない?閑也にだけタメ口でも」
別にそういうことを言ってるんじゃないけど。
そもそも仕事でもタメ口が多いんだけど。
俺にもタメ口で喋ってほしいんだけど。
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作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年8月27日 16時