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今年のクリスマスは、それぞれの個人仕事が
みっちり入っており、わたしのいない間に
東郷さんが詰め込んだと思われる
鬼スケジュールのまま迎えることになった。
ぶーぶー言いながらみんなを見送り、
まだ慣らし中のわたしは事務所でデスクワーク。
のんびりやろうと思っても、つい熱が
入ってしまって、企画書を作り込んでいた。
「うーん…さすがにソロチャンネルは
大がかりだな…グループチャンネル内で…
…うーん…」
中「独り言デカくね？」
「うわあ！！」
突然かけられた声に、驚く。
「う、うみくんか…びっくりした〜、
あれ、撮影は？」
今日はレギュラー雑誌の撮影が
みっちり入っていたはず。
中「巻きで終わらせてやった。
クリスマスだしね」
「おお…やる気のうみくんすごい…」
中「ふふん、まあね。
で、あなたはなにやってるの」
部屋の電気くらいつけなよ、と
近くのスイッチを押して電気をつけてくれる。
「デスクにライトあるとそればっか
使っちゃうんだよね」
中「……そのライト、
のえるくんのプレゼントでしょ」
「よく知ってるね！使いやすいんだこれが」
シンプルなデザインながら、ところどころにある
ネコのワンポイントがのえるくんらしくて、
普通にわたしもネコ好きなのでお気に入り。
中「……はい、あげる」
どこか拗ねたような、おもしろくないって
顔をしたうみくんが、カバンから綺麗に
ラッピングされた箱を取り出した。
「ん？なに？」
中「いやわかるでしょ、今日何の日さ」
「え…クリスマスプレゼント？」
中「ん」
ぐいっと箱を押し付けられて、
あわてて受け取る。
「……あ、ありがとう…」
まさかもらえるとは思って無くて、
言葉に詰まる。
後日マネ陣も含めてクリスマス会を、と
言っていたので、そのときにプレゼント交換かな〜
なんてのんきに考えていたけど。
中「…中見たら？」
「あ、うん！」
腕組しながら隣の机に腰かけたうみくん。
リボンとラッピングを外して、
箱を開けてみると。
「わ…！かわいい！」
緑のワンポイントが入った、万年筆。
女性向けなのか、シンプルながらに
小さいグリーンの花の絵がついて、
とてもおしゃれだ。
「ありがとう…！すごい嬉しい」
うみくんを見ると、「ん、」と言いつつ
そっぽを向いてしまった。
でも、耳は赤くて。
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2022年10月31日 16時
