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トラウマが全身を駆け抜けた。
俺は思わず男に蹴りを入れた。
駄目だ。
仲間が到着するまで刺激してはいけないッ!
頭では分かっていても、それは行動に伴わない。人間と言うものはそう賢くできていないのだと思った。
もう一撃男の鳩尾に拳を抉りこむと、男は立ち上がらなくなった。
『大丈夫だ…もう大丈夫だ』
「あ、のねぇ…お母さんと、お母さん…お兄ちゃ…」
少女を抱き締めた。
ヌメリとした赤い物が、俺の手を染めた。
その量から、分かりたくないが命の終わりが近いことが分かった。
『……大丈夫。大丈夫だ』
きっとこの子の母親も兄弟も、
「おねがい、たすけて…」
力をなくして垂れ下がった少女の腕。
残ったのは少しの体温と彼女の残したその言葉だけ。
頭が真っ白になって、自分の唇を噛みきっていた。
だから気づけなかった。
「詰めが、あまかった…なぁ」
頭に何かがめり込んだ。
ああ、兄貴。
兄貴もこんな痛みを知ったんだな。
何もかも手遅れだ。
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Указать - カロナール24錠のところ、文字化けが発生しております。後、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2019年8月12日 1時) (レス) id: 3506ccb36c (このIDを非表示/違反報告)
松の葉(プロフ) - 腐るのであれば、BLのフラグをたてた方が良いのでは……?勘違いであれば申し訳ないです (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0752d2fe1f (このIDを非表示/違反報告)
びょう(プロフ) - 15本目の何時も通り〜〜の所の字が化けちゃってますよ。ps.更新ありがとうございます。作者様を応援しております。 (2019年8月3日 21時) (レス) id: 0b0984a937 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - とても面白いです!! (2019年7月30日 17時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビルト・イン・スタビライザー(笑) | 作成日時:2019年7月6日 18時