カルテ十二枚 ページ17
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安室side
あの日から梓さんはボーッとすることが多くなった。
砂糖と塩の分量を間違えたりなど、彼女が普段しないようなことをしている。
「ほんとに大丈夫ですか?」
「だから大丈夫ですって!安室さんは心配しょうですね〜」
「そうね、今日は梓ちゃん、なんだか心ここにあらずってかんじだわぁ」
お客が少なくなる時間帯、常連さんである川邉の奥さんを交えながら雑談をする。
「あ、もしかして!あの人がいないからとかかしら?」
「な!?なにいって…」
「あの人?」
明らかに動揺する梓さん。
「いやそれがねぇ、最近来るようになった男性のお客さんがいるのよ。毎回決まった日に来ていて…あ、丁度今日ね。そう、それでその人が本当にイケメンでねぇ、梓ちゃん彼のことが…」
「もぉーやめてください!」
顔を真っ赤にして、ふかしたやかんのような顔をした彼女は手をばたつかせる。
「いいじゃないの〜。私、梓ちゃんとあの人お似合いだと思うわぁ。告白しちゃいなさいよ。」
「あー、なるほど。道理でここ最近調子がおかしかったわけですね。」
「安室さん!?忘れてください!」
梓さんに想い人がいたのか。
全然気づかなかった。まぁ梓さんのことだから、よっぽど可笑しな人ではないと思うけど…
気になる。
「どんな方なんですか?」
「いやそりゃもうイケメンよ!もちろん安室君もイケメンだけど、そうね彼は好青年って感じかしら?あとエリートっぽくて品があるの。」
「梓さんの好みは、爽やか系なんですね」
「冷静に分析するのは止めてください」
暫くの間三人でわちゃわちゃとしていたが、一つドアのチャイムの音がなりすぐさま営業に戻る。
「いらっしゃいま…」
梓さんが急いで対応しに向かうと、彼女の動きが不自然に止まる。
「こんにちは、また来てしまいました。ここの珈琲は病み付きになっちゃうんですよ。」
緑色のペリドットのような美しい瞳を持った性格のよさげな男性が、入り口で困ったように笑う姿が目に焼き付いた。
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Указать - カロナール24錠のところ、文字化けが発生しております。後、いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2019年8月12日 1時) (レス) id: 3506ccb36c (このIDを非表示/違反報告)
松の葉(プロフ) - 腐るのであれば、BLのフラグをたてた方が良いのでは……?勘違いであれば申し訳ないです (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0752d2fe1f (このIDを非表示/違反報告)
びょう(プロフ) - 15本目の何時も通り〜〜の所の字が化けちゃってますよ。ps.更新ありがとうございます。作者様を応援しております。 (2019年8月3日 21時) (レス) id: 0b0984a937 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - とても面白いです!! (2019年7月30日 17時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビルト・イン・スタビライザー(笑) | 作成日時:2019年7月6日 18時