挨拶回り・二 ページ21
「えっ、でも……」
紅葉女史は丸腰だ。素人とは言え、刃物で斬りかかっても善いものだろうか−−「遠慮も加減も要らぬ」……
「じゃあ……当たったらすみませんっ」
僕は大上段に振りかぶり、紅葉女史に襲いかかった。前に侍の役を演ったなあと場違いに思う。−−しかし。
「えっ」僕の刃は止められていた。キン、と、金属どうしが触れ合う音……彼女の後ろには−−夜叉がいる！
「妾の異能−−金色夜叉は刀使いでの」紅葉女史は愛らしくウィンク。「そなたの出た舞台を見せてもらったのじゃが、中々に善い太刀筋じゃ。実際の戦闘でも、中也の役に立ちたいじゃろう？」僕は頷いた。
「それなら、妾の元に通うが善い、刀を教えてやろう−−何、遠慮は要らぬ。中也の頼みとあらば、断る訳には行かぬからの」
中也さんの頼み……？どういう意味だろう。
首を傾げると、紅葉女史は意外そうな顔をした。「おや、中也から何も聞いておらぬかえ、」
「中也が頼んで来たのじゃよ−−そなたに稽古をつけてくれと。銃などより刀の方が、そなたには扱い易いじゃろうと云ってな」
確かに−−僕は、銃火器を放つ役はあまり演ったことがないけれど、侍(新撰組や幕末の人斬りなど)なら善く演じた。もの静かで誠実そうな雰囲気がぴったりだと。
中也さんは、それを汲んでくれたのだろうか。うまく自信を持てない僕を気遣って。
……嬉しい。
「嬉しそうじゃのう、そなた。さ、稽古を続けようぞ。中也の気遣いを無下にせぬためにもの」夜叉が刀を抜く。
こうして、僕の剣術稽古は始まったのだった。新生活への希望を宿して。
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こんぺいとうくん(プロフ) - コミュ障の極みさん» ありがとうございます〜！！頑張ります！DA、中也さん格好良過ぎでした… (2018年3月16日 21時) (
レス) id: 89d22ed41a (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障の極み - デッドアップル観れなかったァァ！あと面白いです！更新ファイトです！ (2018年3月15日 18時) (レス) id: 0c405ae39e (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとうくん(プロフ) - 真昼さん» あ、あ、ありがとうございます…！（コミュ障）すごい嬉しいです…頑張ります！！ (2018年3月10日 15時) (レス) id: 89d22ed41a (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - すごい面白いです、頑張ってください！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: 85666cc382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとうくん | 作成日時：2018年1月29日 17時
