新たな職・五 ページ18
マフィアの首領−−森鴎外氏は、一瞬で雰囲気を変えた。
足を組んで、小さく微笑みを浮かべながら、理知的な瞳で僕を見据える。(幼女はそのままだった。)
「初めまして、Aくん」
森氏−−首領と言った方が善いのだろうか−−は僕の名を呼んだ。それだけで背筋が伸びる。裏社会の首領と呼ばれるに相応しい、怖い人……
「善く曲を聞いているよ。ファンです」
ファンだった。
何これ、ジョーク？マフィアジョークなの？そう思って中也さんを見たが、平然としている。これは冗談−−「ここにサインもらえるかい？」本物かよ。
「リンタロウ、Aが困ってる」助け舟を出してくれたのは側の幼女だった。
「そうだねえエリスちゃん、ごめんよ」
森氏はまた、瞬き一つで表情を切り替える。それはいっそ鮮やかで、もしかしたら、マフィアに必要なのは演技力なのかもしれない、と思った。
「さて、Aくん。単刀直入に云おう。−−君をポートマフィアに推薦したい」
思わず唾を飲み込んだ。判っていた質問だけれど。
それを断る気はなかったし、もう決心は固まっていた。しかし、ほんの少しの不安があった。
「僕……闘いはできません」
そう云うと、森氏は笑った。大袈裟なくらいに−−「いや済まないね。今時こんな殊勝な子は珍しいから」
「安心して欲しい。私が君を推薦したのはそういう観点からではないよ。強力な異能者たる君を保護し、適切な仕事を与えるためだ」
それを聞いて、少し安心−−「貴重な異能者を、弾幕避けになど使わないさ」これもブラックジョークだと思うことにした。
「まずはマフィアに慣れてもらわないといけないね。中原くんとは仲良くなれたかい？−−そうか−−では君の配属先は中原くんの下にしよう。彼は異能も体術も達人級だ、しっかり経験を積むと善い」
中也さんの下で働ける−−素直に嬉しい。「ありがとうございます」頭を下げ、「−−首領」初めて呼んだ。なんだかいっぱしのマフィアになった気がした。
「頑張るのだよ」
「はい！」
「それと……」
「……？」
「サイン……」
「……」
結局サインしてあげた。
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こんぺいとうくん(プロフ) - コミュ障の極みさん» ありがとうございます〜！！頑張ります！DA、中也さん格好良過ぎでした… (2018年3月16日 21時) (
レス) id: 89d22ed41a (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障の極み - デッドアップル観れなかったァァ！あと面白いです！更新ファイトです！ (2018年3月15日 18時) (レス) id: 0c405ae39e (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとうくん(プロフ) - 真昼さん» あ、あ、ありがとうございます…！（コミュ障）すごい嬉しいです…頑張ります！！ (2018年3月10日 15時) (レス) id: 89d22ed41a (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - すごい面白いです、頑張ってください！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: 85666cc382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとうくん | 作成日時：2018年1月29日 17時
